中小企業への就職は後悔する?メリット・デメリットを人事が解説
中小企業の就職に不安を感じている方や企業選びをしたい方は
「中小企業に就職するメリットとデメリットを知りたい。後悔するポイントはどこ?」
「中小企業に強い就職サイトはどこ?」
「優良な中小企業の探し方を知りたい」
と気になっていませんか?
筆者は約10年ほど上場大企業から中小企業の4社で採用担当や人事を経験してきました。
その経験からお伝えすると中小企業には多くのメリットがありますが、中小企業を選ぶ強い目的がなければ大企業がおすすめです。
給与などの待遇も大手のほうが有利ですし仕事の仕方も教えてもらえます。
さらに新卒で中小企業に就職し成果を残せなければ大企業への転職も難しくなります。
古い体質の大企業では「新卒入社できた企業がその人の最大能力値」だと判断する採用担当者もいるほどです。
一方で、中小企業に就職すると裁量が大きく目まぐるしい成長と成果を上げる方もいます。
この記事では、後悔のない選択をしていただくために中小企業の就職に関するメリットやデメリットを紹介します。
また中小企業は優良企業が存在する一方でブラック企業も多く存在するため、おすすめな中小企業の探し方も紹介していきます。
中小企業への就職を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
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中小企業への就職で後悔しやすいポイント3選
「中小企業に就職するとどんな点で後悔しやすいのかな?」と気になりませんか。
中小企業は若いうちは楽しいのですが、次第に周囲の大手企業組と格差が出てくることになります。
具体的には、以下のようなことです。
- 専門的なスキルが身につかない
- 大手と比べ給料が安い
- 将来が不安定
それぞれについて解説します。
ポイント1:専門的なスキルが身につかない
中小企業では良くも悪くも、社員が一手に仕事を担うことになります。
業務分掌もないことが多いため、何か専門性のあるスキルを身に着けたいと思っている人には不向きです。
ただし、総合的に仕事を判断して前に進める馬力の人に成長できる可能性があります。
力技で仕事を進めることも中小企業では良いとされる一面があります。
ポイント2:大手と比べ給料が安い
中小企業では大手と比較して給料が安くなる傾向にあります。
安定した経営基盤を持っている大企業では毎年一定の昇給や手厚い退職金などが期待できます。
一方で中小企業では毎年の昇給や、退職金のない会社も存在しているため、慎重に会社選びをする必要性があります。
大企業には賃金テーブルが公開されていることもある一方で、中小企業では賃金テーブルがないことも多く非公開となっていることも多々あります。
ポイント3:将来が不安定
中小企業と大企業では安定性が違います。
資本が大きければ収入の上げ下げに耐えられるのですが、資本のない中小企業は自転車操業状態ということも多々あるためです。
ただし、大企業といっても斜陽産業となっている業界では吸収合併を繰り返して倒産を逃れているゾンビ会社も存在します。
大企業の中でもこれから伸びていく業界や海外で大きな収益を得ている企業を選ばないと将来は暗いです。
次では、中小企業に就職するメリットとについて解説します。
中小企業に就職するメリット5選
「中小企業に就職するメリットって何なの」と気になりませんか?
中小企業は若いうちから難しい仕事が任せてもらえる一方で、仕事の予算が小さく大きな仕事をする経験が積みにくいという弱点があります。
中小企業に就職するメリット・デメリットを理解したうえで就職するか考えるようにしましょう。
初めにメリットについて解説します。
具体的には中小企業では下記のようなメリットがあります。
- 若手でも裁量の高い仕事ができる可能性がある
- 意見が採用されやすい
- 仕事の成果がわかりやすい
- 経営者との距離が近い
- 臨機応変さが身につく
それぞれについて解説します。
メリット1:若手でも裁量の高い仕事ができる可能性がある
中小企業では、若手でも難しい仕事に挑戦できる可能性があります。
大手企業に比べると人材が少ないため、裁量が大きくなるためです。
手厚いサポートは期待できない代わりに責任感や報告・連絡・相談などの社会人としてのスタンスが高い場合は仕事を任せてもらいやすい環境です。
20代にして管理職といったことも可能なのが中小企業です。
一方で若手に任せるような組織風土でない中小企業もあります。
事前に会社理念や社長メッセージなどから若手にも任せる社風があるか確認しておきましょう。
メリット2:意見が採用されやすい
中小企業に就職することで良い点は、意見が採用されやすい点です。
大企業ではトップダウンで物事が決定される傾向にあります。
一方で中小企業では社員のちょっとしたアイデアが採用されやすくなります。
自分のアイデアで会社が変わるという瞬間に立ち会うこともできます。
メリット3:仕事の成果がわかりやすい
中小企業では自分の出した仕事上の成果が把握しやすいというメリットがあります。
社員数の多い大企業では1個の仕事に何千人もの社員が関わることも多くなるため成果が分かりません。
一方で中小企業では社員が少ない分、自分の仕事した結果の売上利益が分かりやすく、会社にどのような影響を与えたかなどでやりがいを感じられます。
仕事の手ごたえをダイレクトにつかめるのは嬉しいですね。
メリット4:経営者との距離が近い
中小企業では、経営者との距離がとても近いというメリットがあります。
中小企業では経営者が率先して経営の最前線に出てくることが多いためです。
大資本の企業とは異なり、経営者自らが前のめりになって仕事をしないとすぐに利益がなくなります。
将来は起業してみたいという方は経営者の考え方を間近で見るチャンスです。
メリット5:臨機応変さが身につく
中小企業では臨機応変さが身に付きます。
というのも中小企業では、各業務に対する流れや例外時の対応方法などが決まっておらず都度、最善案を主体的に決め推進する力が求められます。
そのため、日々のイレギュラーな出来事(インシデント)に対して対処しなければならない真の課題を認識し、前例のない回答に対して対応を進めていくといった能力が自然と磨かれていくでしょう。
次は、中小企業に就職するデメリットについて解説します。
中小企業に就職するデメリット5選
中小企業に就職するデメリットは、大企業に比べると仕事の予算が少ない点や、ブラック企業の多さです。
具体的には、以下のような点が中小企業のデメリットです。
- 仕事の予算が小さい
- 大人数を動かく経験ができない
- 中小企業から大企業には転職しにくい
- ブラック企業に当たりやすい
- 評価や社風が経営者によって大きく変わる
それぞれについて解説します。
デメリット1:仕事の予算が小さい
中小企業は大企業に比べると仕事の予算が小さくなります。
予算規模が小さいため、知名度の高いプロジェクトや予算が大きな仕事をする機会に出会えません。
やはり大きなプロジェクトほど、専門性の高いパートナーが集まり知見が広がります。
また、数年後にはアピールしやすい職務経歴書になるでしょう。
ですが中小企業では大きな仕事に携わることは少なくなるでしょう。
デメリット2:大人数を動かす経験ができない
中小企業では部課ごとの人数が大企業に比べて少なくなります。
筆者の在籍していた大企業では人事部員が15名いたのに対して、中小企業では人事は2名しかいないということもありました。
そのため、部下を持つ経験や全体に伝達して大人数を効率よく動かす経験ができなくなります。
大人数を動かす経験はキャリア構築上、非常に重要となります。
年齢を重ねるほど、マネジメントを求められるためです。
多くの人数のマネジメント経験をする機会が少いのは中小企業のデメリットとなります。
デメリット3:中小企業から大企業には転職しにくい
中小企業から大企業に転職が難しいこともデメリットの1つです。
大企業の採用担当者は「中途採用者は前職と規模が近い方が仕事をしやすいだろう」という判断をするためです。
大企業から大企業はスムーズですが、中小企業から大企業は能力があることをアピールするのが大変です。
例えば、仮に同じ仕事内容でも大企業では予算5億円のプロジェクトを動かしていましたとアピールできるのに対して中小企業では数百万円規模のプロジェクト経験しかないということになります。
取引先も大企業の場合は知名度の高い企業が多くなり説明もしやすいです。
アピールの場に置いて中小企業出身者は不利であることを理解しておきましょう。
デメリット4:ブラック企業に当たりやすい
中小企業すべてがそうではありませんが、ブラック企業に当たりやすいという問題があります。
大企業は社員数が多く余裕をもって仕事に当たれますが、中小企業では絶対的なマンパワーが不足気味となっているためです。
中小企業では限られた数の正社員をいかにフルパワーで動かして商売をするのかがキーポイントとなってきます。
デメリット5:評価や社風が経営者によって大きく変わる
中小企業では経営者が全てです。
中小企業では社長が会社のオーナーであり、社風や評価は社長が創り出し決定しているためです。
入る前に社長の人柄などを見極めておかないと苦労することになります。
ただ、馬力のある人がオーナーの場合は言葉はきつくとも経営を上手くやるタイプも多いため、精力的な人が社長の会社を選んだ方が倒産リスクは低いでしょう。
中小企業を選ぶ目的がなければ大手企業がおすすめ
「中小企業と大企業のどちらにもこだわりが無い」といった方には大手企業を選ぶことがおすすめです。
なぜなら、大企業には以下のメリットがあるためです。
- 給与が高い
- 人の質が高い
- 人員が多く、仕事量が少ない
- 大企業であれば住宅ローンなどが通りやすい
- 社会的地位が手に入る
一般的に大企業は中小企業と比較すると給与が高く、働く人の質(能力、モチベーション、情報リテラシー、マナーなど)が高い傾向にあります。
大手である場合、勤め先が安定していると判断されやすく住宅ローンが通りやすいなどの社会的信用が高い点も魅力的です。
さらに大手は分業化を進んでいるため仕事の進め方が行き当りばったりではなくプロセスが進んでいます。
大手の仕事の進め方や教育、社内フローなどを経験しておくことで将来、中小企業に転職したり独立したときに大きく役立ちます。
大手企業へ就活するには就職shopの利用がおすすめです。
就職shopはリクルートが運営する若手向けの転職エージェントです。
知名度が高いリクルートが運営しているため大手企業などの優良企業の求人が多くあります。
さらに書類選考はないため、応募すれば面接で選考されます。
書類選考で苦労する方が多いため、就職shop経由で大手を狙うことでスムーズな就職ができるでしょう。
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中小企業の選び方
中小企業の選び方としては企業理念などを入念にチェックしましょう。
具体的には、以下のようなことです。
- 経営理念・サービス理念に心から共感できる企業を選ぶ
- ブラック企業でないかチェックする
- 利益が出ているかチェックする
それぞれについて解説します。
経営理念・サービス理念に心から共感できる企業を選ぶ
中小企業を選ぶにあたってはその会社や社長の理念と心から共感できる企業を選びましょう。
上述したとおり、中小企業では社長が社風の全てであることがあります。
中小企業選びにあたっては経営者の考え方もチェックすることが大切です。
企業の考え方や理念に共感できない会社に入社しても短期離職の職歴が出来てしまいます。
そのためにも以下のようなことをチェックしましょう。
- 社長あいさつ
- 経営理念
- 社員のコメント
- 口コミ各種
- SNS
上記の内容を応募前に徹底的に調べ上げ、心から入社したいと思える会社を選びましょう
ブラック企業でないかチェックする
ブラック企業でないかは応募前に必ずチェックするようにしましょう。
入ってからブラック企業だと分かってしまうと、転職活動をする羽目になるためです。
チェック方法としては、エン転職に記載されている会社の評判をチェックするという方法があります。
また会社名をGoogle検索するなどして
- 過去に労基法違反や労災隠しなどの違法行為をしていないか
- 労働審判や裁判を起こされていないか
もチェックするようにしましょう。
利益が出ているかチェックする
中小企業選びにあたっては利益がしっかり出ていることを確認しましょう。
ですが上場していない中小企業では利益を調べるのはかなり困難です。
なぜなら株主が一般公募されていない非上場企業が大半であるため開示義務がないためです。
面接時に直接確認するか、会社の資本金や売上高からチェックしてきましょう。
次は、中小企業の探し方について解説します。
中小企業の探し方
中小企業の探し方としては
- リクナビ
- あさがくナビ
といった求人が多く掲載された転職サイトで探しましょう。
例えば「従業員規模300名以下の企業」といった形で求人を探すことができます。
条件設定をして従業員数の少ない企業を探しましょう。
また、リクルート運営の就職shopでは新卒サポートも行っており、中小企業の求人紹介も行っています。
書類選考が免除されており面接に直接進めることができるため社風を早く知ることができます。
このような転職サイトは使いこなせるようにするのがおすすめです。
まずは登録をして興味のある求人をチェックしてみましょう。
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まとめ
今回は、中小企業の就職について解説しました。
大企業には以下のような手厚い待遇があります。
- 給与が高い
- 人の質が高い
- 人員が多く、仕事量が少ない
- 大企業であれば住宅ローンなどが通りやすい
- 社会的地位が手に入る
一方で中小企業のメリットとして、以下のメリットがあります。
- 仕事の予算が小さい
- 大人数を動かく経験ができない
- 中小企業から大企業には転職しにくい
- ブラック企業に当たりやすい
- 評価や社風が経営者によって大きく変わる
中小企業のデメリットは以下の通りです。
- 仕事の予算が小さい
- 大人数を動かく経験ができない
- 中小企業から大企業には転職しにくい
- ブラック企業に当たりやすい
- 評価や社風が経営者によって大きく変わる
中小企業にもメリットはありますが、まず若手は大企業就職を狙ってみましょう。
よくある質問と回答
中小企業に就職するメリットは?
中小企業のメリットは大手企業に比べて裁量権をもって仕事ができるケースが増えることです。
そのため、自分の意見が採用されやすく、仕事の成果も感じられやすいでしょう。
若手の内からでも様々な仕事に主体的に挑戦したいと言う方には特におすすめです。
中小企業に就職するデメリットは?
中小企業のデメリットは大手企業に比べて予算が少ない傾向にあることです。
裁量権をもって仕事ができるものの、予算の関係上大きなプロジェクトに携われる可能性は少なくなります。
そのため、大人数を動かして仕事をする経験も積みにくいです。
給料面も大手と比べて低い傾向にあるため、よほどの理由や目的がなければ大手企業がおすすめです。