大学卒業後の進路は就職がベスト?リストラ時代で評価される人材を人事が語る

「大学卒業後は就職しかないの?他にどんな進路があるの?やりたいこと優先したらどうなるの?」と悩んでいませんか。

新卒で大企業に就職出来れば一生安泰というような古い常識は通用しない時代に突入しています。

私はこれまで約10年間、人事を経験し退職勧奨で数十名をリストラする仕事を経験してきました。

最近では銀行でも数年以内に数千人をリストラすると決まっています。

ある程度年齢が高くなってしまうと、退職勧奨などでリストラされてしまう時代に突入しているのです。

さらに、2020年4月からは同一労働同一賃金がスタートして、正社員であっても非正規社員と同じような仕事ぶりであれば容赦なく待遇が下がる時代が到来します。

この記事を読めば、これから起こる大企業のリストラに対応する術を身に着け確かなキャリアを構築する方法を理解することができます。

読むために5分程度かかるでしょうが、今後の進むべき方向性は十分に分かるようになっています。

ぜひ最後まで一読して広い視野で大学卒業後の選択をしましょう。

大学卒業後の選択肢は就職だけじゃない!リストラ時代の理解が大事

大学卒業後に大企業に就職して、60歳まで働いて、定年退職を迎えてあとは年金で暮らす。

そんな幻想をいまだに抱いてはいませんか。

残念ながら、一流企業への就職がゴールの人はリストラされる世の中になりました。

日経によると、上場企業の黒字リストラが相次いでおり、なんと1万人以上の中高年がリストラされています。

参考:再来した大リストラ時代と「雇用流動化」礼賛の幻想:日経ビジネス電子版

つまり、大企業に仮に新卒で入社できても、いずれは首を切られると考えて仕事をする必要性があります。

次は、リストラに合わないための選択肢について解説します。

スキル・経験・ビジョンを持った人材が評価される時代となる

2020年4月からは同一労働同一賃金がスタートします。

正社員であっても非正規社員と同じような仕事ぶりであれば、賞与や昇給などが得られなくなるということです。

正社員であっても、スキル・経験・ビジョンのない人は、容赦なく待遇が下がる時代が到来します。

そんな状況を生き抜く技術を紹介します。

必要なことは「興味+やり抜く+発信」!

大リストラ時代を生き抜くために必要なことは、「興味+やり抜く+発信」です。

自分自身の持っているスキルをしっかりと成長させて、世の中にSNSやブログ、YouTubeなどで発信するようにしましょう。

思わぬところで待遇の良い会社からスカウトが来たり、個人に仕事依頼がきて副収入が得られたりということが起こり得ます。

よく「好きなことをやる」という方がいますが、重要なポイントは

  • やり抜いて成果をだすこと
  • 発信して世界に発信すること

です。

中途半端なスキル・経験では仕事になりませんし発信しなければ声もかけられません。

好きなことをしているだけではなく成果と発信を意識しましょう。

34才までは正社員になれる!若いうちにやり抜ける環境になってきた

2018年以前は正社員には20代のうちしかなれないということが定説でした。

しかし、人手不足などの採用難から、34歳までは正社員で採用される時代になっています。

ハタラクティブ就職カレッジなどのフリーターやニートの転職支援サービスでは34才までであれば80%以上の確率で内定が出ています。

若いうちはやりたい仕事をして失敗したとしても34才までであれば正社員としてのキャリアを積める時代になってきています。

若いうちに挑戦することは今の時代の若者の特権でしょう。

「スキル・経験・ビジョンを持った人材が評価される時代となる」まとめ

  • 正社員であってもスキル・経験・ビジョンのない人は、容赦なく待遇が下がる時代が到来
  • 大リストラ時代を生き抜くために必要なことは「興味+やり抜く+発信」
  • 好きなことをやる場合は「やり抜いて成果をだすこと」と「世界に発信すること」がポイント
  • 若いうちはやりたい仕事をして失敗したとしても34才までであれば正社員としてのキャリアを積める

次は、やりたいことが明確にある人の選択肢について解説します。

やりたいことが特にないという方は自己分析を深めることをおすすめします。

やりたいことが「ある人」の選択肢は3個

やりたいことがあっても躊躇しませんか?

やりたいことがある場合には、その道のプロに教えてもらうことが一番早いです。

具体的には、以下のような方法があります。

  • 第一人者のもとで考え方・仕事の進め方・人脈を得る
  • やり抜けるなら起業も検討しよう
  • リスクを恐れる人は大学院に進学し取り組むのも手

それぞれについて解説します。

第一人者のもとで考え方・仕事の進め方・人脈を得る

その道のプロと呼ばれている第一人者の元で仕事の考え方、仕事の進め方・人脈を得るようにしましょう。

方法として、やりたい職種で求人応募して、経験年数の長い人に指導してもらう方法があります。

実は筆者は大企業勤務時代に、人事経験が52年間ある大ベテランの人事部長にマンツーマンで指導を2年間受けたことがありました。

結果、大企業のなか最年少で班長に昇格し、リーダー的な立場で仕事を経験できました。

仕事能力も飛躍的にアップし、外資系企業人事や中小企業でもいきなり係長待遇で引き抜きを受けるなど、20代でかなりの恩恵を受けたことがあります。

仕事は生半可な経験の人間に教わるのではなく、圧倒的な経験を誇るプロに教わることをおすすめします。

やり抜けるなら起業も検討しよう

やりたいことをやる抜く覚悟があるなら起業も検討しましょう。

起業は甘くありません。

毎日、資金が減っていく預金口座を見ては不安になり、その中でも最善の仕事をしていかなくては道は開けません。

この道で行ってダメだったら死ぬしかない。

それくらいの覚悟を持って起業しましょう。

リスクを恐れる人は大学院に進学し取り組むのも手

リスクを恐れている人は、大学院に進学して取り組むのも手です。

新卒カードは就職で一番有利な就職です。

それを保持した状態でしたいことをするのです。

理系であれば選考は気にする必要はありませんが文系で大学院に進むなら、法科大学院一択です。

文系で法科大学院以外を選ぶと、就職しようと考えたときに真っ先にいらないと人事に判断されます。

ベストは理系の大学院、文系なら法科大学院。

他は避けましょう。

ここまでやりたい事がある方に向けて紹介してきました。

次は、やりたいことが見つからない人の選択肢を説明します。

やりたいことが「ある人」がおさえたいポイント

  • やりたいことがある場合・その道のプロに教えてもらうのが一番早い
  • 第一人者のもとで考え方・仕事の進め方・人脈を得る
  • やり抜けるなら起業も検討する
  • リスクを恐れる人は大学院に進学し取り組むのも手

やりたいことが「ない人」の選択肢は2個

やりたいことが見つからない場合の選択肢として、以下の選択肢があります。

  • 大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを作る
  • スキルを身につける(特にIT系がおすすめ)

それぞれについて解説します。

大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを作る

「やりたいことがないからとりあえず就職で」と安易に就職するよりも、大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを探しましょう。

ただし、文系の方にはおすすめできません。

文系の大学院卒は給料が高くつく上にあまり専門性がないと考えられているためです。

出来れば理系の大学院に進学するようにしましょう。

やりたいことが「ない人」がおさえるべきポイント

  • 大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを作る
  • スキルを身につける(特にIT系がおすすめ)

スキルを身につける(特にIT系がおすすめ)

IT系のスキルを身に着けることが、実は手に職の近道です。

いまやインターネットが存在しない職場はほとんど存在しません。

肉体労働の現場でもタブレットなどのIT機器で物流のやり取りがなされています。

プログラミング

プログラミングは個人にスキルが身につくため市場価値が上がります。

さらに20年以上、ITエンジニア不足が続き今後も不足が見込まれています。

実際、求人倍率は年々上がり続け8倍と全職種の中で一番募集されている職種です。

実際プログラミングは20代でも覚えることができるため、興味があれば取り組むべきでしょう。

覚えることは多いですが繰り返すことで出来るようになります。

勉強が苦手ならネットワークエンジニアがおすすめ

勉強が苦手な方は、ネットワークエンジニアがおすすめです。

ネットワークエンジニアは、機器の設置・設定が多く、比較的新しい技術を覚える必要がありません。

一度覚えることで長くスキルを発揮できます。

今後は5Gの通信も見込まれているため仕事も困ることはないでしょう。

Webデザイン&コーディングの案件は豊富!ただし単価は安め

Webデザイン&コーディングもおすすめです。

Webサイトは企業の数だけ求められており地方でもたくさん仕事を受注できます。

プログラミングより難易度は低いため、それほど技術も求められません。

プログラムとは逆にできあがりがビジュアルに見えます。

ただその反面、単価は安めとなります。

Webマーケティングも未経験からはじめられる

Webマーケティングは、仕事内容としてはインターネットを活用して集客する仕組みを作ることです。

リスティングやディスプレイ広告などの有料広告、Google検索結果のSEO対策やInstagram集客などの無料集客と大きく2つあります。

基本的にあまり経験者が存在しない業界のため、未経験からでも仕事をスタートさせることができます。

今ではインターネットの集客なしではビジネスがなりたたないくらいになってきています。

これから伸びる職種となるでしょう。

【手に職をつける近道】身につけたいIT系スキル

  • プログラミング
  • 勉強が苦手ならネットワークエンジニア
  • Webデザイン&コーディング
  • 未経験からはじめられるWebマーケティング

【コラム】スキルを身につけるには企業で経験を積むことがおすすすめ

ほとんどの方は最初、未経験の職種を始めています。

企業でスキルを身につけて成果を出しています。

企業に所属すれば給料をもらいながらスキルを身につけることができます。

周囲には相談できる先輩がいます。

スキルを身につけたら腕試しをしながら経験を積むことがおすすめです。

スキル・経験を積み上げることで転職が成功しやすくなることはもちろん、30代~40代で独立も可能になってくるでしょう。

もちろんリストラも怖くありません。

大手企業は入れるなら就職もあり!ただし30代以降のキャリアビジョンも必要

とくにこだわりがない方は就職するなら大手企業を狙いましょう。

大手企業は仕事の進め方が体系立てられていて一生役立つスキルが手に入ります。

一方で中小企業やベンチャー企業は仕事の進め方が属人的でかつ洗練されていないケースが多いため、就職してもあまりスキルが身につきません。

大企業では大きなプロジェクトや有名企業と仕事ができる上に、その後の転職がしやすいです。

30代以降のキャリアビジョンを見据えて、大企業で様々な仕事を経験して視野を広げていくのはありです。

ところで「海外で勉強したい!留学を検討したい」と安易に考えていませんか。

目的がはっきりしていない人にとっては最悪の選択になる可能性が高いため次で解説します。

【面接官からのアドバイス】おすすめできない進路は強い意思がない選択

最後におすすめできない選択肢を紹介します。

それは海外留学やワーキングホリデーです。

人事を10年やってきた身からすると、最も避けた方が良い手段であると断言できます。

以下の理由があるためです。

  • 留学・海外青年協力隊・ワーホリ経験は採用で有利にならない!目的を強く持とう
  • スキル・活かせる経験がない人は採用されづらい。選択した進路を3年はやり抜く覚悟を持とう

それぞれについて解説します。

留学・海外青年協力隊・ワーホリ経験は採用で有利にならない!目的を強く持とう

アピールされても全く魅力的に感じない代表格が留学・海外青年協力隊・ワーホリです。

英語のスキルを活かせると思われるかも知れませんが、最初から海外と取引するような部署に配属されるのは大企業の総合職の中でもごく一部の幹部候補生だけです。

単に海外で生活をしただけの内容であればいくらアピールされても実務上で活かせる点が特になく加点となりません。

実際に不採用になった事例を紹介します。

事例1:留学経験者の面接事例

24歳の既卒の留学経験者でなぜか総務部志望で入社をしたいと考えた方でした。

結論からいえば、海外と仕事をする部門ではないので、落とすことになりました。

留学経験を推すのは良いですが、活かせる部署でない限り有利には働きません。

採用担当者の評価

英語を活かせる部署でもないのに英語が出来ることをアピールポイントに持ってこられた段階で、もう落とすことは決めていました。

評価できるような活動内容があれば、人柄面などをアピールするために、現地でどんな活動をしたのかを押すべきでした。

事例2:ワーキングホリデー経験者の面接事例

ワーキングホリデーでオーストラリアに行っていた25歳の型の面接をしました。

英語能力があるということを全力でアピールされましたTOEICスコアはわずか700点。

年配の人事部長で58歳の方でも、TOEICの点数は800点はあります。

海外渡航の経験がなくてもTOEICの高得点者はたくさんいます。TOEICの点数だけでアピールするのは避けましょう。

採用担当者の評価

ワーキングホリデーに行っていたのであれば、現地の方たちとどんな風に協力関係を築き仕事をしたのかを一番に推すべきです。

英語ができる人材が欲しいのであれば、日本企業は自社でお金を出して勉強させて戦力にして海外に送りだります。

後からでも習得できるような語学スキルを前面に推すのではなく、人柄を押すようにしましょう。

新卒から頑張って仕事をしていた人からすればバイトして遊んでいたのと同じことです。

厳しいですがこれが現実です。

最後に、選択肢を決めたらやり抜くことの重要さを改めてお伝えします。

留学・海外青年協力隊・ワーホリ経験者が不採用となった面接事例

  • 【留学経験者の面接事例】英語を活かせる部署でもないのに英語が出来ることをアピールポイントにしてしまった
  • 【ワーキングホリデー経験者の面接事例 】後からでも習得できるような語学スキルを前面に推しTOEICの点数だけをアピールしてしまった

スキル・活かせる経験がない人は採用されづらい。選択した進路を3年はやり抜く覚悟を持とう

とにかく3年間は選んだ道で、しっかりと実力をつけるようにしましょう。

スキル・活かせる経験がない人は採用されづらいです。

中途半端なスキルならアピールしないほうが良い場合もあります。

自分で好きな道を選んだのであれば、その道をしっかりと極めるようにしましょう。

方向転換は問題ないですが、点々としつづけるのはNGです。

【面接官からのアドバイス】強い意思がない進路の選択はおすすめできない理由

  • 目的を強く持っていない留学・海外青年協力隊・ワーホリ経験は採用で有利にならない
  • 選択した進路を3年はやり抜く覚悟がない場合スキル・活かせる経験がない人は採用されづらい

まとめ

みんなが抱いている幻想はすでに崩れました。

大学卒業後に大企業に就職して、60歳まで働いて、定年退職を迎えてあとは年金で暮らす。

上記のような選択肢はすでに日本にはありません。

スキル・経験・ビジョンを持った人材が評価される時代となるので、以下のようなことをすることが大切です。

  • 必要なことは「興味+やり抜く+発信」!
  • 34才までは正社員になれる!若いうちにやり抜ける環境になってきた

やりたいことがある場合には、その道のプロに教えてもらうことが一番早いです。

具体的には、以下のような方法があります。

  • 第一人者のもとで考え方・仕事の進め方・人脈を得る
  • やり抜けるなら起業も検討しよう
  • リスクを恐れる人は大学院に進学し取り組むのも手

やりたいことが見つからない場合の選択肢として、以下の選択肢があります。

  • 大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを作る
  • スキルを身につける(特にIT系がおすすめ)

大学院進学は文系は避けて理系を選択しましょう。

IT系のスキルを身に着けるのも良い選択肢です。

海外留学やワーキングホリデーは出来るだけ避けるようにしましょう。

「就職・転職 なんでも相談室」で相談お待ちしております。

進路で悩んだら、ぜひ、お越しくださいね。

よくある質問と回答

大学卒業後は就職が一番良い?

近年では大企業であってもリストラされる時代になっており、必ずしも大学卒業後に就職することが最適解ではなくなって来ました。

もちろん就職することが悪いことではありませんが、ただ漠然となんのビジョンも持たずに就職するのは危険です。

重要なのは個人として評価されるためのスキルや経験を身に付け、急に勤務先がなくなったときに対処できることです。

その選択肢として就職するか、あるいは個人で稼ぐのかビジョンをもって決断しましょう。

大学卒業後にやりたいことが得にない場合どうしたら良い?

大学卒業後にやりたいことが見つからないなら以下の選択肢をおすすめします。

  • 大学院や専門学校へ進学してやりたいことを見つけるチャンスを作る
  • スキルを身に付ける

詳しくはこちらで解説しておりますので、やりたいことが特にない方は参考にしてみてください。

監修者

上場・ベンチャー・中堅企業で様々な役割を経験。今なお、採用・人事の業務を最前線で経験し、「いま」の「生きた」知見を発信しています。