アイリストはやめとけと言われる4つの理由とは?経験者が実態を詳しく解説

アイリストを目指すにあたり、きつい仕事だからやめとけということを耳にしたことはありませんか?

アイリスト歴5年の筆者は、これまでに数々のお客様の施術を経験しました。

その経験から言うと、アイリストの仕事はきつい面もありますが、20代・30代の未経験でも始めやすい仕事だといえます。

また40代の方でも未経験から美容学校に通い、美容師資格を取得後にまつエクサロンを経営している方もいます。

技術を習得すれば未経験からでも見習いアイリストとして早々にデビューすることができるサロンが多く、働きながらスキルを磨き、経験者については手当も付くこともある人気の職種です。

一方でアイリストは美容師の国家資格が必要なため、完全未経験の方はまず美容学校で資格を取得することが必須となります。

さらに0.01mm単位でまつ毛を扱う仕事のため1日集中して作業し続けなければいけないきつい仕事、というイメージがあるのも事実です。

筆者としては細かい作業が得意な方、根気のある方、人と話すことが好きな方はアイリストに向いていると考えますが、この記事ではやめとけといわれる理由について詳しく解説していきます。

アイリストの仕事を続けるためのコツについても紹介していますので、最後までぜひご覧ください。

アイリストはやめとけと言われる4つの理由

アイリストをやめとけと言われる理由は主に以下の4つがあります。

  • うつむき作業となるため首凝りや肩凝りになる!
  • 商材による化学物質アレルギーで職種をチェンジする場合がある
  • 施術を失敗すると角膜に傷をつける可能性がある!顧客に対して賠償責任を負うことも
  • 最新技術や流行に対応出来る努力が常に必要!休日のセミナー受講や毎週技術テストを行うサロンも多い

詳しく解説します。

うつむき作業となるため首凝りや肩凝りになる!

アイリストはやめとけと言われる理由の1つとして、肩凝りや首凝りになるということが挙げられます。

その原因として、アイリストの施術は長時間うつむきで作業をするため首や肩に大きな負担をかけるからです。

まつエクの施術はアイリストがベッドで横になった状態のお客様の顔を覗き込む形で行うため、仕事は基本的にうつむきの姿勢です。

通常の美容サロンのようにお客様の背後から施術する機会はなく、予約が1日埋まっている日には7~8時間のうちほとんどをうつむきで過ごすことになります。

知人のアイリストの中には肩こりだけでなく、前かがみになる体勢から腰痛になり、ぎっくり腰を発症した方もいます。

また体に負担をかける要因は施術時の姿勢だけでなく、細かい作業による眼精疲労から肩こりを悪化させる人もいます。

筆者の場合は元々肩こりしやすい体質でしたが、アイリストの仕事に就いてからは肩こりや首こりがない状態のときはほぼありませんでした。

施術中は集中しているため、作業に慣れてしまえばうつむきでも辛いと次第に思わなくなるケースが多いですが、ここで注意していただきたいのは以下の2つのようなケースです。

  • 元々痛みや持病がある方
  • 長期間にわたり無理な体勢で施術を続けた方

特に長期的に痛みを堪えて施術をしているケースでは、椎間板ヘルニアなどを発症することもあります。

筆者の場合、施術後はストレッチをする、休憩を適度に挟むことで重度にはなりませんでした。

まつエクサロンには専用の施術ベッドもあり、細かい角度調整が可能なものもあります。

無理な姿勢をせずに施術できる角度を見つける、椅子の位置を工夫する、など自分なりの作業しやすいスタイルを見つけることもアイリストを続けるためのポイントです。

元々持病がある方は一度主治医に相談してみることをおすすめします。

商材による化学物質アレルギーで職種をチェンジする場合がある

使用する商材による化学物質アレルギーのリスクが高いことも、アイリストはやめとけと言われる理由の1つです。

まつげエクステの施術にはまつエク専用の接着剤が必須となります。

接着剤の中にはシアノアクリレートという化学物質が含まれ、アイリストの仕事は日常的に化学物質に暴露される環境に身を置くことになるからです。

まつエク専用の接着剤の中には一般の瞬間接着剤に含まれている成分が入っており、アレルギーを起こす原因となったり、目の充血の原因になったりする刺激物質も含まれます。

厳密に言うと、接着剤が乾くときにアレルギーの原因となるホルムアルデヒドという物質が微量に放出され、接着剤が完全に乾くまで揮発し続けるためです。

ホルムアルデヒドはシックハウス症候群の原因となる有毒物質で、目や鼻などの粘膜から取り込みやすくなります。

アイリストは施術を通して1日中接着剤を扱うため、化学物質を取り込む量はお客様より多くなります。

アレルギーを発症するリスクは当然両者にもありますが、施術中は目を閉じてままで過ごしてもらうため比較的、お客様への影響は少ないです。

アイリストの中には自身のアレルギー体質によりまつげエクステが付けられなくなった方もおり、アレルギーを発症しない場合でも、化学物質過敏症の症状によって物質に反応し、長時間施術するとめまいや頭痛、鼻づまりを起こす方もいます。

筆者の場合は、長時間の施術後に少し目が充血するなど症状が出る日もありますが、幸い今日まで重度のアレルギーを発症せずにアイリストの業務を続けられています。

最近では従来の接着剤を使わずにLEDライトで硬化させる施術方法もあり、アレルギーをすでに持っている方は低刺激成分で作られた国産の接着剤を使うなど、体質に合わせて商材を使い分けることもアイリストを続けるためのひとつの方法です。

体質によっては商材によるアレルギーで突然仕事を続けられなくなることもあるため、アイリストはやめとけという意見があると考えられます。

施術を失敗すると角膜に傷をつける可能性がある!顧客に対して賠償責任を負うことも

アイリストをやめとけと言われる理由に、施術を失敗するとお客様の目を傷付け、場合によっては賠償責任問題に発展する可能性があるという点があります。

理由は2つあります。

1つ目は施術で使う人工毛は付けていても違和感がないように柔らかく作られていますが、主成分はプラスティックと硬く、眼球に近いため万が一目に当たれば傷ついてしまうためです。

2つ目にアイリストは施術中ツイザーと呼ばれる専用の鋭利なピンセットを使用し、まつげ1本1本を掻き分けて作業する中で誤ってピンセットの先端で怪我をさせてしまうことがあります。

特にピンセットは左右両方の手でそれぞれに持つため、利き手側ではない方の手は慣れるまで操作が不安定となる傾向があります。

施術に失敗するとお客様に通院していただくことがあり、目周りの怪我が重症化して視力低下や失明となれば顧客に対して賠償責任を負うこととなります。

2010年前後は知識のない施術者が誤った方法で施術を行う、無免許でまつエクサロンを営業するなど悪質なトラブルがニュースでよく取り上げられていましたが、最近ではほとんど聞かなくなりました。

トラブルはサロンの口コミや評価にも直結するため、悪い評判により集客できなくなれば大きな事業ダメージともなります。

サロン向けの損害賠償保険などに加入してトラブルに備えておくこともできますが、アイリストの仕事は失敗するとお客様の目を傷つける可能性があり、重度の場合補償の責任を負う可能性もあります。

このような理由から、アイリストはやめておけと言われると考えられます。

最新技術や流行に対応出来る努力が常に必要!休日のセミナー受講や毎週技術テストを行うサロンも多い

アイリストは流行に対応出来る技術が必要となり、最新技術が生まれる度に技術を磨かなくてはいけないという点でやめておけと言われます。

最新技術を導入するためには技術向上だけでなくセミナーの受講費、必要機材などを揃える費用が必要となるからです。

まつエクのデザインの流行や技術が定期的に刷新される背景には2つの要因があります。

1つはまつエクのお客様はインスタグラムなどを通して世界各国のデザインや流行を知っており、海外で流行しているデザインはほとんど日本でも普及するからです。

アイリストは日本だけでなく世界各地で生まれるデザインに対応できる技術を求められます。

2つ目の背景として、日本の商材メーカーが新メニューの提案として定期的に最新技術を提案しているためです。

企業によっては特許を取得している技術もあり、メニューとして導入するためにはセミナー受講が必須となるため、費用面でもアイリストの負担は大きいといえるでしょう。

アイリストは最新技術に対応できるスキルを常に磨く必要があり、サロンによってはアイリストの技術レベルを揃えるために、営業時間外にも何時間も練習するケースや、毎週ごとに厳しい技術チェックをするケースもあります。

まつげパーマや眉毛スタイリングなども幅広く行うサロンが多いため、最新スキルに対応すると努力と技術力を常に求められるという点でやめとけと言われます。

アイリストになるメリットについて詳しく紹介

ここではアイリストになるメリットを詳しく解説します。

筆者は美容師免許取得後、主にメイクアップの仕事をしていましたが、アイリストは完全未経験で始めました。

経験を積めばサロンで役職を与えられることもあり、女性のキャリアとしてもアイリストのメリット面は大きいと考えています。

アイリストのメリットとして、具体的には以下の3つがあります。

  • 未経験でも始めやすい
  • 技術を磨けば手に職を付けて稼ぐことができる
  • 技術だけでなく接客スキルも身につく

それぞれメリットをお伝えしていきます。

未経験でも始めやすい

アイリストのメリットは、まず未経験でも始めやすいという点があります。

まつエクの技術は通常のヘアサロンではメニュー化されていないことが多く、ほとんどの美容師がアイリスト未経験となるからです。

完全未経験でアイリストを目指す場合は、デビューするまでに研修やセミナーなどの技術取得のサポートがほとんどのサロンであります。

そのため本記事の冒頭でもお伝えしているように、技術が安定すれば早々にデビューすることができるため、一般のヘアサロンのようにスタイリストデビューまでの下積みが長い、ということは少ないと言えます。

筆者の周りでも、出産や育児で休職していた30代、40代の方が仕事復帰でアイリストを始めるというケースはよくありました。

アイリストはすぐにデビューできるという点で、一般の美容サロンと比べても資格があれば未経験者でも採用される可能性が高いです。

美容業の第二のキャリアとしてアイリストを選択する方も多く、「資格を活かして他のことをやってみたい」という美容師にもおすすめです。

完全未経験でも資格があれば歓迎される傾向があるため、未経験でも始めやすいというメリットがあります。

技術を磨けば手に職を付けて稼ぐことができる

2つ目のメリットに、技術を磨けば手に職が付くという点があります。

これはどの技術職にも言えますが、技術と知識があれば、場所を変えても自分の腕一本で稼ぐことができるためです。

まつエクサロンとしてはベッドや照明器具、道具を設置するワゴンなど、最低限の設備は必要とされますが、アイリストは自分の道具があれば勤務するサロンだけでなく他のサロンへ出張することも可能です。

アイリストが主に使用する道具については具体的には以下があります。

  •  ピンセット、ブラシ、など施術に使用する器具
  • 手指や器具消毒に使う消毒薬(アルコールなど)
  • 接着剤、人工毛、リムーバー、事前処理剤などの商材
  • コットン、サージカルテープなどの消耗品
  • タオルや手鏡などの美容備品

さらに最近ではアイリストの働き方も柔軟となっており、正社員やパートだけでなく業務委託で複数のサロンを掛け持ちしている方もいます。

美容師免許は国家資格となるため、有資格者でアイリストの経験とスキルがあるという点をアピールすれば、転職する場合でも全国のサロンで求人に応募することもできるでしょう。

このようにアイリストは経験を積めば積むほど働き方の幅も広がり、スキルがあれば将来自分でお店を開くことも可能となります。

手に職を付けて稼ぐことができるという点でアイリストはメリットがあります。

技術だけでなく接客スキルも身につく

接客スキルが身につくという点もアイリストのメリットだと言えます。

接客スキルが磨かれる理由としては2つのポイントがあり、まずアイリストはお客様の目周りに施術を行うとても繊細な仕事のため、安心して施術を任せられるかどうかの判断に接客が大きく関わるからです。

2つ目に施術前のカウンセリングではお客様の希望するデザインを打ち合わせするため、この時に意思疎通ができていないと「このアイリストに任せて大丈夫だろうか」とお客様は不安になってしまいます。

施術中のお客様は目を閉じているため周りの気配にも敏感となり、少しの音で驚かれることや、周りが見えないことで居心地が悪く感じることもあります。

筆者の担当していたお客様の中には長時間目を閉じたままで過ごすことが苦痛という方もいました。

そのお客様はどちらかの目は自由に動かせる状態にしておくことで安心できる、とのことでしたので毎回片目ずつ施術を行うなど、一人ひとりに合わせて施術スタイルを変えるということも稀にありました。

このようにアイリストは施術中も技術に集中するだけでなく適度にお客様へお声掛けをする、など心地良い時間を過ごしてもらうためのホスピタリティを必要とされる場面が多くあります。

また施術前のカウンセリングではお客様のアレルギー症状の有無や希望のデザインについて1つ1つ確認することが必須となります。

事前に本数やデザインの確認を必ず済ませておかないと、お客様の希望と違う仕上がりになる可能性が高いからです。

施術中はお客様に目を閉じたままで過ごしていただくことになるため、完成するまで途中でデザインを確認してもらうことはほとんどありません。

お客様の中には地まつげの本数や元々の生え方で希望のデザインを実現できないケースも多くあるため、事前の打ち合わせでしっかりとコミュニケーションを取るという点でも接客スキルを養うことができるでしょう。

デザインを変更してもらう際には理由を説明し、必ずお客様に納得していただいてから施術を始めることもポイントです。

アイリストはお客様の話をよく傾聴し、ご要望に寄り添う接客スタイルとなるため、お客様満足度にもつながりやすく、身につければあなたの強みとなるでしょう。

このような接客スキルが身につくという点もアイリストの大きなメリットだと言えます。

未経験からアイリストになれる?必要な資格とは

アイリストとして仕事をするには、美容師免許が必要となります。

美容師法の美容の定義には「まつ毛エクステンションも美容行為に含まれる」と定められており、免許がないと施術できないためです。

参考:美容師法の概要 |厚生労働省

もともとアイリストの仕事は美容師免許必須ではありませんでしたが、2008年頃から美容師免許がなければ施術できないと正式に決められました。

美容師資格の国家試験に受験するためには、必ず指定の専門学校に通うことが条件となります。

スクールの通学期間は具体的に以下の内容となります。

  • 昼間過程:2年(学費約200万~250万)
  • 夜間過程:2年~2年半(学費約150万~200万円)
  • 通信課程:3年(学費約80万)

それぞれの都合に合わせて選ばれると思いますが、働きながら専門学校に通うのであれば、学費もおさえられる通信課程がおすすめです。

通信課程では費用面で通いやすいだけでなく、1週間に1日授業に出席するなど単発のカリキュラムがあり仕事しながらでも十分資格が取れるスケジュールの学校が多いからです。

最近ではアイリスト志望で美容学校に通う方も多く、通信生の年齢は20代から40代など幅広いです。

美容学校では年齢に関係なくスキルを取得したい方が集まるため、受講クラスの全員がほぼ未経験者となります。

入学資格は高卒であれば入学できる学校がほとんどのため、未経験からでも十分チャレンジできると言えます。

スクールに通うことでアイリストの交友の輪が広がり、同じ目標に向かって切磋琢磨できる仲間が見つかる点でも、大きなメリットがあります。

アイリストに必要な資格についてはアイリストは美容師免許なしでも大丈夫?マツエクなどに関する資格はあるの?|サロンナレッジ編集部も参考にしてみてくださいね。

まとめ

アイリストやめとけと言われる背景には以下の4つの理由があります。

  • うつむき作業となるため首凝りや肩凝りになる!
  • 商材による化学物質アレルギーで職種をチェンジする場合がある
  • 施術を失敗すると角膜に傷をつける可能性がある!顧客に対して賠償責任を負うことも
  • 最新技術や流行に対応出来る努力が常に必要!休日のセミナー受講や毎週技術テストを行うサロンも多い

アイリストの業務にはお客様に対して賠償責任を負う可能性もあり、アイリスト自身も常に努力をし続けなければいけないため、きついからやめとけと言われる意見があります。

一方でアイリストのメリットは以下の3つがあります。

  • 未経験でも始めやすい
  • 技術を磨けば手に職を付けて稼ぐことができる
  • 技術だけでなく接客スキルも身につく

アイリストはやめとけと言われ諦めようと考えた方もいるかもしれません。

ですが、筆者としては、手先の器用さに自信がある方、人と接するのが好きな方はぜひチャレンジしてほしいと考えます。

アイリストの仕事は細かな作業でデザインを完成させる達成感がありますし、何よりもお客様を綺麗にし喜んでもらうことができるからです。

単純にスキルを身に付けたい、お金を稼ぎたいというだけでは続けることが難しいかもしれませんが、努力すれば努力した分だけ技術が身に付き、やりがいもあります。

未経験からでも資格を取り経験を積めば、活躍する機会が十分にあると言えるため興味がある方はぜひチャレンジしてみてくださいね。

資格なしで手に職をつけられる仕事については、手に職をつける仕事|おすすめ一覧や必要な資格を解説|ASTERLINKも参考にしてみてください。

監修者

上場・ベンチャー・中堅企業で様々な役割を経験。今なお、採用・人事の業務を最前線で経験し、「いま」の「生きた」知見を発信しています。