品質管理はやめとけって本当?5つの理由と向いている人の特徴
「品質管理はやめとけとよく聞くけれど、なぜなのだろうか」
「品質管理はやめとけと言われているが、そんなにきついのだろうか」
と気になりませんか。
品質管理は精神的にタフである以上、言われたことを受け流せる性格でないと続けることが難しいです。
なぜなら、品質管理は顧客や取引先からのクレームに対処するための部署となったいるためです。
筆者はこれまで約10年間、メーカーで人事を経験し、品質管理課の仕事を目の当たりにしてきました。
この記事を読めば、品質管理はやめとけと言われている理由について深く知ることができます。
品質管理はやめとけと言われる理由について知りたい方はぜひ、最後まで読んでいって下さいね。
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目次
「品質管理はやめとけ」と言われる5つの理由
「品質管理はやめとけ」と言われてしまう最大の原因は、働く人が精神的に強くないと成り立たない側面があるためです。
分かりやすい例をあげると、コールセンター業務はお客様から常に苦情をうける業務であるため辞めていく方も多くいますが品質管理も同じです。
さらに厄介なことに、品質管理は怒られるだけでなく、問題解決のために行動を起こす必要性もあります。
怒られる上に自分で全ての対応をしなくてはならないということです。
ここでは「品質管理はやめとけ」と言われるきつい業務を紹介していきます。
社内外からクレームの嵐
品質管理はやめとけと言われる原因の1つは最初のクレームが常に発生する部署のためです。
出荷した製品に問題があれば最初に社内で責められます。
最初にクレームに対して真っ先に社内で確認し原因を突き止め、お客様に謝罪と報告をします。
この工程においては社内もお客様も協力的ではなく敵対状態の可能性が高いです。
社内に味方がいない状態でクレームに対処していくため、精神的に追い詰められるでしょう。
不具合が多発している場合は社長や役員に怒られ、他の部署からは「また品管か。ちゃんと仕事しろよ」と蔑まれ、製造現場からは「俺らじゃなくて品管が悪い」と四面楚歌の状態で仕事をすることになります。
このように社内外からのクレームの嵐に耐えられなければ続けられません。
使えない理系の墓場と言われているため
品質管理なんてやめとけと言われる理由に、使えない理系の墓場というイメージがあります。
なぜなら、メーカーで優秀な理系は設計開発または生産技術に行くためです。
一般的に品質管理の部署は人気がありません。
配属された理系の新卒が「俺、人生終わったわ」などと嘆く部署でもあります。
実際に筆者が理系から配属希望を集めたところ、設計開発がダントツ人気1位で、ビリが品質管理ということは何度もありました。
品管は優秀な人が行く部署ではないというイメージがやめとけと言われる理由です。
うつ状態の人材が集まりやすい部署のため
品質管理は製造現場でうつ状態になった人材を事務職として休ませる際に良く使われる部署になっている企業も多くあります。
専門性がない方もでも品質管理の業務が務まるためです。
業務の一例を上げると謝罪して取引先に弁明書を送るだけという業務が存在します。
出世が難しいため
品質管理課は、出世が難しいことからやめとけと言われてしまうことがあります。
生産技術や設計開発から社長や副社長が出るメーカーは多々あります。
しかし品質管理課出身者が役員になることは珍しいと言えるでしょう。
原因としては生産技術は社内人脈が圧倒的に豊富で優遇される傾向にあり、設計開発は企業の命運を左右することになるという業務特性の違いがあります。
対して品質管理はクレーム処理が多くて心労の負担が高い部署ですが、売上・利益などの経営指標で評価される業務が少ない業務です。
そもそも製品の品質に関するクレームが出ること自体がおかしいのですから、クレーム処理が仕事のメインとなっている段階で評価が低いのです。
品質管理出身者が部長級までは出世することが多いですが、経営陣入りは難しいでしょう。
責任が広く重すぎるため
品質管理の仕事は責任が広すぎる上に重すぎるためにやめとけと言われやすいです。
なぜなら、製品に関するミスのクレームが全て品管に来るためです。
例えば、原因を追究して見ると現場の作業員が作業要領書を無視していたり、実は搬入工程で取引先が傷をつけていたりなど、仕事の範疇ではないと感じる問題までも対応する必要があります。
このように品質管理は、仕事の責任が重く範囲が広いことがやめとけと言われる理由です。
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食品会社における品管の責任は重い
これまでは機械系メーカーにおける品質管理について解説してきましたが、ここでは食品会社における品質管理について紹介します。
食品会社における品管の責任は機械系メーカー以上に重くなります。
食品会社における品質エラーは人の健康と生命に直結するためです。
具体的には、以下のような実情があります。
- 異物混入すれば即クレーム
- 致命的な異物混入ならばすぐにニュースで報道される
- 消費期限偽装問題などを先導してしまう
それぞれについて解説します。
異物混入すれば即クレーム
食品会社における品質管理では異物が混入すれば即クレームとなります。
消費者は食品に異物が混入したら激怒するためです。
もしも製品に毛や虫が入っていたらそれだけでネットで炎上するリスクもあります。
異物混入だけは避けなければなりませんし、防ぐためにしっかりと防止策を考えなければなりません。
致命的な異物混入ならばすぐにニュースで報道される
食品会社での品質管理において、致命的な異物混入ならすぐにニュースで報道される可能性があります。
なぜなら、人にダメージを与える致命的な異物混入が起これば注目を集めてしまうためです。
致命的な異物とは虫だけではなく金属片や、有害性物質を含む異物も含まれます。
虫も嫌悪を感じさせるため大問題ですが、人が死亡する危険性のあるものが混入していたら最悪の場合は企業が倒産する可能性もあります。
消費期限偽装問題などを先導してしまう
食品会社における品質管理は消費期限偽装問題などを先導してしまう可能性があります。
なぜなら、消費期限偽装は、品質管理課が本来業務をしていれば起こりえない問題のためです。
製造した製品の最終チェックを行うことが品質管理課の仕事であり、品質管理課があるにも関わらず消費期限偽装が起こったらならば悪質な企業ぐるみの偽装と言われかねません。
仮に経営者が「在庫をこれ以上増やしたくないしロスを出したくないから賞味期限を虚偽記載して欲しい」と言ってきても断るべきです。
断れなければ品質管理課が消費期限偽装を黙認していたということになります。
品質管理課のやりがいと将来性
品質管理課のやりがいは、会社の名誉や利益を守ることに貢献できる点です。
品質要求水準の高い日本では品質管理なくして生き残れません。
その点では仕事がなくなるということはなく、将来性はあるでしょう。
筆者が人事をする中で品質管理の方が感じるやりがいをここでは紹介していきます。
お客様の理解を得られた時にやりがいを感じる
品質管理課がやりがいを感じる瞬間は、お客様の理解を得られたときです。
お客様が製品に関して不満に思っている部分を解決できれば、感謝されるためです。
例えば新製品が使いにくいと取引先からクレームを受けた際に改善案を出すことや、使い方のマニュアルを作成することで喜ばれます。
お叱りを受けるのは大変きついですが、解決することで今まで以上の関係性になることは数え切れません。
お客様の声を一番理解しているのが品質管理課とも言えるでしょう。
工場の従業員と理解し合えた時
品質管理課のやりがいは、工場の従業員と理解し合えた時です。
なぜなら、工場の従業員は基本的に品質管理課を工場とは別の存在と考えがちで排他的な扱いを受けるためです。
例えば工場では品質管理課は「品質管理さん」などさん付けで呼ばれることが多いです。
同じ会社の社員同士にも関わらず、かなりよそよそしい扱いとなります。
このような距離感があるため品質管理課と製造現場は理解し合うことが難しい分、理解し合えたときはやりがいを感じます。
品質管理課の指導通りに仕事をした結果、クレームが減り、現場の評価が上がれば理解をしてもらえることがあります。
工場の従業員と理解し合えれば仕事がやりやすくなり、やりがいを感じられます。
品質不良を防ぐことができたとき
品質管理課で最もやりがいを感じる瞬間は、品質不良を防いだ時です。
なぜなら、品質不良を防ぐことで会社の利益を守れたことになるためです。
不良品を出荷してしまうと製品の全部回収と検査に途方も無いコストがかかります。
そのため品質管理が不良を防ぐことは会社のお金を守ることにつながります。
品質不良を見抜くノウハウを保有することは企業にとってこれほど心強い存在はありません。
品質管理に求められる能力
「品質管理に求められる能力とはどのような能力なの」と気になりませんか。
品質管理に求められる能力として、以下の能力があります。
- ストレス耐性
- 対人折衝能力
- 責任転嫁する能力
- 計算力
- 論理的な思考力
それぞれについて解説します。
ストレス耐性
品質管理に最も求められる能力はストレス耐性です。
なぜなら、品質不良が発生すれば糾弾され、怒られることが日常と化すためです。
笑顔でお客様からの罵声を受け流し、社長に書類を投げられても破かれても笑顔でいられる鈍感力が重要です。
また、少し怒られたくらいで萎えるのではなく開き直る精神力を持ちましょう。
対人折衝能力
品質管理では対人折衝能力が重要です。
なぜなら、取引先など多くの関係者と仕事をすることになるためです。
例えば、お客様からのクレームに失礼のないように対処する必要性があります。
お客様からのクレームに上から目線で対応し、さらなる大きなクレームを浴びるという間違った対応をする品質管理も存在します。
品質管理の仕事をしていく上では、対人折衝能力があることは重要です。
責任転嫁する能力
品質管理は誠実な仕事をすることが重要ですが、責任転嫁する能力も重要です。
なぜなら、クレームを受けたときに現場のミスや取引先のミスであることも多いためです。
例えば、確かに製品に傷が入っているがお客様が自ら付けた傷であることや、異物混入も実は第三者の犯行ということがあるためです。
全てを真正面から受けるのではなく責任は他にあるのではないかと考える能力も必要でしょう。
計算力
品質管理においては、計算力が重要です。
なぜなら、欠損などの品質不良や事故が起こった場合、お客様の損害金を計算する必要性があるためです。
例えば、このケースではいくらの損害金が妥当といった相場観を持つことが重要です。
場合によっては取引先のミスなどもあれば損害金などを値切る交渉をすることもあります。
論理的な思考力
品質管理には論理的な思考力が必要となります。
なぜなら、品質不良が起こった原因を突き止める必要性があるためです。
例えば不良品を見たとき「これはあの工程でしか起こらない事故だな」など、設備や製造工程における品質不良の原因を突き止めていくことになります。
品質管理は根本的な原因を突き止めることが重要であり、論理的な思考能力が求められます。
品質管理の転職をスムーズに進める方法
品質管理にすでに在籍している人は、職歴を活かして品質管理に転職か、全く違う仕事に転職するのかを考える必要性があります。
品質管理は大手企業でも退職者が多い傾向にあるため、転職自体は簡単です。
一方で未経験で応募する場合には、設計開発または生産技術への応募をおすすめします。
なぜなら、設計開発または生産技術でも品質管理の知識経験は活かせるためです。
例えば、同業他社であれば同じような製造工程で似たようなミスを連発している可能性があります。
起こり得るミスを先読みして製造工程まで提案できる設計開発職や生産技術職は魅力的です。
品質管理から転職をする場合には設計や生産技術などの他の技術職も検討するようにましょう。
製造業では設備や資本力が大きいほど有利です。
大量生産によるコストダウンと販売量で利益率が高いためです。
そのため大手ほど給料が高く高待遇となります。
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まとめ
今回は、品質管理はなぜやめとけと言われてしまうのかについて解説しました。
品質管理はやめとけと言われる理由として、以下の理由があります。
- 社内外からクレームの嵐
- 使えない理系の墓場
- 品質管理はうつの人が集まりやすい
- 出世が難しい
- 責任が重すぎる、広すぎる
食品会社の品質管理は以下のような厳しさがあります。
- 異物混入すれば即クレーム
- 致命的な異物混入ならばすぐにニュースで報道される
- 消費期限偽装問題などを先導してしまう
品質管理のやりがいと将来性は以下の通りです。
- お客様の理解を得られた時
- 工場の従業員と理解し合えた時
- 品質不良を防ぐことができたとき
品質管理には以下の能力が求められます。
- ストレス耐性
- 対人折衝能力
- 責任転嫁する能力
- 計算力
- 論理的な思考力
品質管理から転職する場合には、職歴を活かすのか、他の技術職に転職するのかを考えましょう。