IPOが当たらない理由と初心者ができる2つの方法
IPO投資にチャレンジしている人の多くが、
「IPOにチャレンジしているのに当たらない」
「IPOって本当に当選するの?」
と感じています。
それもそのはず、IPOは当選確率が低く一般的には1%〜2%と言われています。
つまり普通に応募してもなかなか当選しません。
そう聞くと、「当選確率が低いなら、やめた」と考える人もいるかもしれません。
ですが、ちょっと待って下さい。
実は、IPOの当選確率を上げる方法があるのです。
そこで今回は、「IPOの当選確率を少しでも上げたい」という人に、その方法を解説します。
IPOは基本的に当選しづらいものですが、ちょっとした工夫で当選確率を上げることができるのです。
その方法を全て試した上で、IPOに臨みましょう。
また、値上がり益を得たいからIPOに挑戦するわけですが、実は、IPO銘柄で利益を得る方法は、他にもあります。
セカンダリー投資という方法で、抽選がないためファンド業務を普段担当している筆者がぜひともおすすめしたい方法です。
今回は、このことについても解説します。
目次
IPO当たらない!実際の確率はどれくらい?その理由とは
実際のところ、IPOにはどれくらいの確率で当選し、どれくらいの確率で外れてしまうのでしょうか。
また、そもそもなぜ「当たらない」のでしょうか?
IPOに当たらない確率は98%〜99%
実際、IPOにはどれくらいの確率で当選するのでしょうか?
私が証券会社に勤めていた頃に聞いた話では、1%〜2%程度の確率でしか当たらない、ということのようです。
つまり、98%~99%の人は申し込んでも当たらないということです。
IPOにも人気の銘柄、不人気の銘柄がありますので、本当のところは銘柄次第といったところになります。
ですが、IPO銘柄全体で見た場合の当選確率は1、2%程度のようです。
つまり、IPOは基本的になかなか当たらない、ということが判ります。
IPOに当たらない理由
IPOに当たらないのは、売出や公募の株数に対する申込数が
多いから、というのが大きな理由です。
IPOは通常の株式投資より値上がり益を得やすいとあって、人気が集中しやすいです。
売出しや公募の株数に対し「〇株買いたい」という申し込みが殺到するため、元々なかなか当たらないものなのです。
それに加え、人によっては
- ライバルの多い証券会社で申し込んでしまう
- 抽選方法が平等ではない証券会社で申し込んでしまう
などして、より当選しづらい状況を自ら作ってしまうケースもみられます。
このように、IPOは基本的になかなか当たらないものなのですが、一部例外となる人もいます。
それはどんな人なのでしょうか?
IPOが当たりやすい人は取引実績の多い資産家
IPOに当たりやすい人とは、いわゆる「資産家」です。
とはいえ、単に資産が多ければ当選しやすいわけではありません。
IPOの主幹事会社になるような大手証券会社での取引実績が多数ないといけないのです。
大手証券会社の場合、取引実績のある資産家の顧客に対し、IPOの当選確率を優遇するケースがあります。
その会社で販売している投資信託などを頻繁に購入していると、営業マンから声がかかることがあるようです。
しかし、このようなケースは証券会社への預かり資産が数億円以上の富裕層に限ります。
一般の個人投資家にとってはかなりハードルが高く、簡単に真似できるものではないと言えるでしょう。
このように、よほどの資産家で、普段から大手証券会社との付き合いがないと、IPOにはなかなか当たりません。
そのため、基本的には「IPOは当たればラッキー」くらいのスタンスで取り組んだ方が良いでしょう。
とはいえ、
「資産がたくさんあるわけではないけれど、多少なりとも当たる確率を上げられないか」
と考える人もいるのではないでしょうか。
そこで、
「初心者かつ資産が多いわけではなくても、IPO銘柄を取引して利益獲得を狙う方法はあるのか」
ということを、次に考えてみたいと思います。
初心者でIPOを狙う方法は2つ!両方実施がベスト
初心者がIPO投資で利益を獲得するためには2つの方法があります。
- IPOの当選確率を上げる
- IPOのセカンダリー投資を行う
方法1:IPOの当選確率を上げる6個を実施する
IPOの当選確率を上げるには、以下の6つの方法があります。
- 複数の証券口座を開設する
- IPOの取り扱い件数の多い証券会社で口座開設する
- 主幹事をしている証券会社のIPOに申し込む
- 100%平等抽選をしている証券会社でIPOを申し込む
- 穴場の中堅証券会社のIPOを狙う
- SBI証券のIPOチャレンジポイントを利用する
具体的にどのような方法なのかをまずは一つずつ解説していき、後でおすすめの口座を紹介します。
施策1:複数の証券口座を開設する
まずは複数の証券会社を開設することが当選確率を上げる最低限の条件になります。
ただし下記の口座を開設することが絶対条件です。
- IPOの主幹事になっている証券会社
- 幹事会社になっている証券会社
「この条件に合う口座を探すのは大変」と思うかもしれませが、大丈夫です。
後でおすすめの口座を具体的に紹介しますので、それを参考にして下さいね。
施策2:IPOの取り扱い件数の多い証券会社で口座開設する
証券会社で口座開設をする際には、IPOの取り扱い件数の多い証券会社で口座開設しましょう。
IPOの取扱件数が少ないと、抽選に参加する機会も少なくなってしまいます。
できるだけ多くの抽選に参加できるよう、IPOのこれまでの取扱件数を確認した上で口座開設しましょう。
施策3:主幹事をしている証券会社のIPOに申し込む
IPOでは、主幹事会社に割り当てられる株数が圧倒的に多いです。
そのため、頻繁に主幹事会社になっている証券会社を通じてIPOに申し込んだ方が当選確率を上げられます。
どれくらいが主幹事会社に割り当てられるのか、以前私も知り合いに聞いたことがあります。
その人は某大手証券会社でIPOを担当していたため、色々と裏話を教えてもらったのです。
それによれば、公募・売出しの株数のうち、8割~9割が主幹事会社に割り当てられるとのことでした。
施策4:100%平等抽選をしている証券会社でIPOを申し込む
100%平等抽選とは、
「証券口座に預け入れている資金の量や取引実績に関わらず、一人一票制で抽選を行う方式」
のことを言います。
つまり、1つの証券口座につき1つの抽選権が与えられる形になります。
そのため、この方式の場合、資金やこれまでの取引実績の少ない人にとっては有利になります。
100%平等抽選は、マネックス証券やGMOクリック証券などで行われています。
なお、資金が多い人は「応募口数に票数が比例する方式」を選びましょう。
たとえば楽天証券がこの方式で抽選を行っています。
また、取引回数が多い人は「ステージ制」を導入している証券会社で申し込んだ方が有利でしょう。
ステージ制では、手数料や預け残高によって当選確率が変わります。
そのため、取引回数が多く、たくさんの手数料を支払っている人には有利です。
例えば、SMBC日興証券や岡三オンライン証券ではこの方式を採用しています。
施策5:穴場の中堅証券会社のIPOを狙う
中堅証券会社の証券口座からIPOに申し込むのも、当選確率を上げる方法の一つです。
とはいえ、条件があります。
それは、
- 主幹事
- 幹事
- 委託幹事
のいずれかになっていることです。
中でも委託幹事になっている証券会社はおすすめで、このような会社には中堅の証券会社が多く見られます。
委託幹事の証券会社の場合、ブックビルディング期間が始まってからIPOの告知が行われることもあるようです。
事前に告知されないことから気づかない人も多く、申込数が少なくなりがちです。
また、主幹事や幹事によくなっている会社よりも口座開設数が少ないのもメリットです。
競争相手が少なくなることから当たる確率を上げやすくなります。
施策6:SBI証券のIPOチャレンジポイントを利用する
SBI証券では、「IPOチャレンジポイント」というサービスを提供しています。
「IPOチャレンジポイント」では、IPOの抽選に外れた回数に応じてポイントが1ポイントずつ加算されます。
そして、貯まったポイントを次回以降のIPOに使用することで当選確率を上げられるメリットがあります。
ポイントが多いほど当たる確率が上がるため、何度もチャレンジしていれば、いずれ当選するかもしれません。
また、期間限定でチャレンジポイントのプレゼントキャンペーンが実施されることもあるようです。
キャンペーンに参加すれば、ポイントを普段の何倍も貯めることができるかもしれません。
【番外編】資金を増やし、大手証券会社の大口顧客になる
数億円以上の資産を持っている人は、主幹事会社に頻繁になっているような大手証券会社をおすすめします。
野村證券、大和証券など大手証券会社の上客になれば、IPOを配分してもらえるからです。
筆者がおすすめの証券口座3つ
以上の当選確率があげるために筆者がおすすめする証券会社を紹介していきます。
おすすめ1:SMBC日興証券
SMBC日興証券は、三大証券の一つです。
大手証券会社ということもあって、主幹事になる回数も多いのが特徴です。
対面取引が主ですが、ネット取引も行っています。
同社では、ネット配分は10%程度となっていますが、完全平等抽選を行っています。
主幹事の回数の多さもさることながら、IPO自体の取り扱いが多いため、多くのIPO株の抽選に参加できます。
おすすめ2:カブドットコム証券
カブドットコム証券は自社が主幹事になることはほとんどありません。
ただ、同じグループの三菱UFJモルガン・スタンレー証券が主幹事によくなります。
その関係で、同社はIPOの取扱い数が多いのです。
また、同社は100%平等抽選を行っています。
口座数も比較的少ないため、IPOの抽選に参加するのに穴場のネット証券であると言えます。
おすすめ3:東海東京証券
東海東京証券は準大手の証券会社です。
対面の他、ネット取引も行っています。
大手証券会社に比べると主幹事数は少ないものの、IPO取扱数そのものは多いです。
また、ネット配分は10%程度ですが、完全平等抽選を行っています。
また、同社は口座数が少ないのも特徴で、その分、ライバルが少なく、当選確率を上げられます。
なお、東海東京証券では、割当が2,000単元未満のIPOの場合にステージ制が適用されますので注意が必要です。
ここまでIPOで当選しやすくする方法やおすすめの証券会社について説明しました。
ですが、基本的にIPOは当選確率が100%になることはありません。
そこで目を向けたいのが、抽選なしでIPO銘柄を取引する「セカンダリー投資」です。
方法2:プロもおすすめ!セカンダリー投資で儲ける
セカンダリー投資では、上場後のIPO株の値上がり益を狙います。
銘柄によってはプライマリー投資以上に値上がり益が狙えるケースもあります。
そのため、「抽選で外れたら終わり」のプライマリー投資よりも投資の機会が多く、プロとしてお勧めです。
もちろん、セカンダリー投資にも欠点がありますので、それを踏まえた上で取引する必要があります。
それでは早速、メリット・デメリットを見てみましょう。
セカンダリー投資のメリット・デメリット
セカンダリー投資にはプライマリー投資にはない魅力がありますが、決して良いことづくめではありません。
そのため、どんな点に気を付けなければならないのか、きちんと知った上で取引することが大切です。
まずは、セカンダリー投資のメリットにはどんなものがあるのか見ていきましょう。
セカンダリー投資のメリットは誰でもできる!
セカンダリー投資の主なメリットは
- 抽選がなく、誰でも取引可能
- 上場後の値上がり益を狙うことができる
- 「お宝株」に遭遇することもある
- 上場翌日以降であれば、信用取引も可能
の4つです。
中でも、誰でも取引できることが最大のメリットと言えるのではないでしょうか。
もちろん、他にもメリットはありますので、それぞれについて見てみましょう。
メリット1:抽選がなく、誰でも取引可能
セカンダリー投資が誰でもできるのは何故かというと、プライマリー投資と違い、抽選がないからです。
上場後のIPO株を取引するため、誰でも取引することができます。
「当たらなければならない」という条件がないため、取引のチャンスが増えることが大きなメリットです。
メリット2:上場後の値上がり益を狙うことができる
IPO株の中には、上場した後に順調に値上がりしていくものがあります。
セカンダリー投資ではこのような銘柄を選んで投資していきます。
「IPOは公募価格で買わないと利益が出ない」と考える人もいるでしょうが、決してそんなことはありません。
むしろ、初値では公募価格をそれほど上回らず、上場後に値上がりしていくものもあるのです。
このような銘柄こそセカンダリー投資向きであると言えるでしょう。
メリット3:「お宝株」に遭遇することも
セカンダリー投資では、上場後、値上がりしていく可能性が高いものに投資します。
こうして投資した銘柄が、やがて初値の何倍もの株価になる「お宝株」に変身することもあります。
このような銘柄を発掘できる可能性があるのも、セカンダリー投資のメリットです。
メリット4:上場翌日以降であれば、信用取引も可能
セカンダリー投資の場合、上場翌日以降にIPO銘柄を購入すれば信用取引を行うことができます。
それにより、資金を抑えることができるのも大きなメリットです。
例えば1株1,000円のIPO銘柄を100株、上場後に信用取引で購入するとします。
その場合、1,000×100÷3.3≒30,303となり、3万円強の資金で済むことになります。
一方、プライマリー投資の場合は現物取引になります。
例えば公募価格が1株1,000円のIPO銘柄を買う場合は1,000×100=100,000となり、10万円の資金が必要になります。
このように、セカンダリー投資では少ない資金でIPO銘柄を購入することができるのがメリットです。
ただし、空売りができるようになるのはもっと先になりますので、注意が必要です。
ここまでセカンダリー投資のメリットを解説しましたが、良い点ばかりではなく、当然デメリットもあります。
そこで、次にセカンダリー投資のデメリットにはどのようなものがあるのか、確認してみたいと思います。
セカンダリー投資のデメリットは3つ
セカンダリー投資の主なデメリットには、
- 上場後、思うように値上がりしないことも
- テクニカル分析が効かない
- 目論見書をチェックするのが大変
の3つが挙げられます。
それぞれについて詳しく説明します。
デメリット1:上場後、思うように値上がりしないことも
セカンダリー投資では、上場後、思うように値上がりしないケースもよくあります。
場合によっては初値で買うと高値掴みになってしまうこともあり得るのです。
セカンダリー投資では、プライマリー投資同様、これからも上がる可能性の高い銘柄の見極めが大切です。
そのため、「セカンダリー投資であれば、必ず値上がりを狙える」と思うのは早計です。
デメリット2:テクニカル分析が効かない
セカンダリー投資では、テクニカル分析が効きません。
なぜなら、上場して間もないからです。
テクニカル分析は、過去の株価の推移を基に将来の値動きを予測します。
しかし、IPO銘柄の場合、上場初日には過去の値動きがなく、テクニカル指標が表示されません。
また、上場したばかりとあって、過去の値動きの情報量が少ないという問題もあります。
そのため、上場後しばらくは、テクニカル指標を表示しても精度の高い内容が表示されません。
このことも、セカンダリー投資のデメリットの一つです。
デメリット3:目論見書をチェックするのが大変
目論見書は非常にボリュームが多く、150ページ~200ページほどになります。
これに目を通し、必要な情報を確認するのは大変です。
筆者は会社の有価証券報告書などを読む機会が仕事柄多く、目論見書にも比較的馴染みがあります。
それにも関わらず、目論見書から必要な情報をピックアップするのが大変だと感じてしまいます。
ある程度慣れている人間ですら大変に感じるのですから、初心者にとってはもっと大変でしょう。
また、兼業投資家にとっても、目論見書の確認は時間的な負担が大きく大変なのではないかと思います。
このように、セカンダリー投資には、メリット・デメリットそれぞれあります。
そんなセカンダリー投資で値上がりした銘柄は、実際にどれくらいの価格になったのでしょうか?
「セカンダリー投資で値上がりした場合、どのくらいの利益になるのか」ということを、次で見てみましょう。
事例で分かる!セカンダリー投資の利益率
セカンダリー投資は全銘柄で実施すべきではありません。
IPO銘柄の3分の2で初値が公募価格を上回ったあと下落するためです(2018年の場合)。
つまり勝率は必ずしもよくありません。
一方で、上場したての銘柄は他の指標に影響されにくいため、コツさえつかめば勝ちやすいといえます。
コツについては後述していきますのでまずは、個別のケースにおいて「上場後どのくらい値上がりしたのか」ということを確認し、利益率を確認してみましょう。
事例1:グッドスピードをセカンダリー投資した場合
例えば、今年4月25日に上場したグッドスピード(7676)について見てみましょう。
同社株は、公募価格1,400円に対し、初値は1,750円と25%値上がりしました。
そこから1,500円台に下がった後、1,600円台でのもみ合いが続きました。
ですが、5月30日には4,150円の年初来高値を付けています。
仮に初値で買い、年初来高値で売却した場合、1株あたり2,400円の利益が得られたことになります。
その場合の利益率は約137%です。
事例2:トビラシステムズをセカンダリー投資した場合
また、同じく今年4月25日に上場したトビラシステムズ(4441)についても見てみましょう。
同社株は、公募価格2,400円に対し、初値は5,420円と125.8%も上回りました。
そこから上昇し、6月17日に年初来高値となる11,030円を付けています。
仮にこの銘柄を初値で買い、年初来高値で売却した場合、1株あたり5,610円の利益が得られたことになります。
その場合の利益率は約104%です。
このように、IPOのセカンダリー投資でも大きな利益を得られる銘柄はあります。
もちろん、セカンダリー投資は必ず利益が狙えるものではありません。
中には上場後に値下がりが続くものもありますので、銘柄選びをしっかり行う必要があります。
セカンダリー投資でも、プライマリー投資と同じかそれ以上に利益を得られる銘柄があるのは事実です。
セカンダリー投資では、このような銘柄を探して投資していきます。
それでは、セカンダリー投資はどのように行うのでしょうか?
その方法について簡単に説明します。
セカンダリー投資の方法
セカンダリー投資の方法には、
- IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する
- IPO銘柄を初値で買った後しばらくその銘柄を保有し、値上がりしたところで売却する
- IPO銘柄を初値ではなく、上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れる。そして、ある程度の期間保有して値上がりを狙う
の3つがあります。
1:IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する
この方法に関しては、これを「セカンダリー投資」とする説明をよく見かけます。
確かにこの方法もセカンダリー投資の方法です。
ですが、この方法の場合、思ったよりも値上がりせずに終わってしまうこともよくあるのが欠点です。
特に、人気が集中しすぎて初値が公募価格を10倍近く上回るような銘柄には要注意です。
初値がその日の最高値となり、その後は下落し続けてしまうかもしれません。
なお、初値を公募価格が上回ったものの、その後も買いが集中している銘柄の場合は、この方法が有効です。
ただし、途中で、公募価格で買った人たちやロックアップが解除された大株主が売りに出す可能性があります。
そのため、株価の上昇に乗ったら早めの利益確定を心がけましょう。
2:IPO銘柄を初値で買った後しばらくその銘柄を保有し、値上がりしたところで売却する
この方法は、様々な理由からあまり人気が出ず、初値が公募価格をさほど上回らなかったケースで有効です。
このケースでは「会社の内容がそれほど悪くない」ということが大前提になります。
「1:IPO銘柄を初値で買い、新規上場日の値上がりに乗って、その日のうちに売却する」よりも長く保有することになりますが、次第にその銘柄が評価され、徐々に値上がりしていく可能性があります。
時間をかけて値上がりする銘柄への投資になりますので、ある程度の期間保有することになります。
もしかしたら、1年後には買った価格の何倍にもなっているかもしれません。
長期保有することになるため、時間が経つうちにテクニカル分析が効くようになってきます。
そうなった時に、利益確定ラインを見定めやすくなるのも良い点であると言えるでしょう。
3:IPO銘柄を初値ではなく、上場後に利益確定売りで下落したところを狙って買いを入れる。そして、ある程度の期間保有して値上がりを狙う
この方法は、上場後、利益確定売りで値下がりしたところで買いを入れる方法です。
IPO銘柄の多くが、初値を付けた後や初値を付けて少し経ってから利益確定売りが集中し、値下がりします。
この時に買いを入れてしばらく保有しておき、相場が落ち着いてからの値上がりを狙うのです。
初値が公募価格の10倍などあまりにも高騰した場合は、その後株価が下落して低迷するケースもみられます。
値下がりしたからといってうかつに手を出すのはやめた方が賢明です。
初値が公募価格に対し10%、20%程度上回ったなどという場合は要チェックです。その後も上昇していく可能性があります。(もちろん、会社の業績など内容をしっかり見極めた上で、という前提条件があることを忘れないで下さい)
この方法の場合、少し値下がりしたところで買いを入れてしばらく保有すると良いでしょう。
こちらも、時間の経過とともにテクニカル指標が効きやすくなってきますので、その点がメリットです。
また、上場翌日以降であれば信用取引もできますので、資金を抑えて取引できるところも良い点です。
セカンダリー投資におすすめの口座は3つ!
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まとめ
今回は、IPOが当たる確率や、IPO投資で当たりやすくするための方法について解説しました。
IPO投資といえば、やはりプライマリー投資が主流です。
ですが、そもそもIPO投資を行おうと考えたのはどうしてでしょうか?「株の値上がり益を得るために、値上がりする可能性の高い銘柄が欲しい」からではないでしょうか。
その望みを叶えるためには、IPOのプライマリー投資で当たりやすくすることも大切です。
とはいえ、1%、2%の当選確率を50%、60%まで上げるのは至難の業です。
それならば、文中で説明したIPOのセカンダリー投資を行った方が、値上がり益を得られる可能性があります。
今後IPO投資を行う際は、プライマリー投資だけでなく、セカンダリー投資にも目を向けてみませんか?