自営業(個人事業主・フリーランス)から正社員へ再就職は不利か?経験談を紹介
個人事業主やフリーランスといった自営業の方は売上や将来への不安から下記のような再就職に悩みませんか?
「売り上げが立たない。諦めるしかない。いまさら自営業から再就職なんて出来るのだろうか」
「売り上げの繁閑が厳しくて、もう限界だ。自営業から再就職してきっぱりと諦めよう」
筆者は10年ほど採用担当者を経験し、筆者自身も自営業から出戻りの面接を受け内定を獲得した経験があります。
このような経験からお伝すると自営業から正社員に再就職することは可能です。
しかし、自営業から正社員に再就職するにあたっては必ず乗り越えなければならない偏見のハードルがあります。
この記事では採用する立場と実際に再就職した経験をもとに自営業からの再就職の実情を紹介していきます。
自営業から再就職を検討している方は必ず一読することをおすすめします。
目次
自営業・フリーランス・個人事業主から正社員への再就職は不利
自営業・フリーランス・個人事業主から正社員への再就職は不利であることを最初に自覚する必要性があります。
なぜなら、採用担当者側は自営業者に対して「わがまま」「自分勝手」など、強い偏見を持っているためです。
これは一例で、もし自営業・フリーランス・個人事業主から再就職するためには、以下の不利を背負って転職活動をする必要があります。
- サラリーマンとして組織で働くことに苦手なイメージがあるため
- 年齢に対するスキルや経験が合わず任せるポジションがないため
- 事業失敗をしているため、能力に不安がある
それぞれについて解説します。
サラリーマンとして組織で働くことに苦手なイメージがあるため
自営業が再就職するにあたっては、サラリーマンとして組織で働くことが苦手なイメージを持たれてしまうという問題があります。
自営業者は全て自己判断で仕事が可能ですが、サラリーマンはすべてに報告・連絡・相談が付いて回ります。
そのため、採用担当者としては仕事をするにあたり
- 会社の意向を汲み取って仕事ができるのか?
- 上司に適宜相談をし、円満に仕事を推進できそうか?
と言った点で厳しくチェックをされます。
特に厳しくチェックされる自営業・フリーランスの方は下記のような方です。
- サラリーマン経験がない。または5年未満と短い
- 転職回数が年齢の割に多い
書類選考や面接では、会社理念の理解はもちろん、組織内での協調性を強くアピールしましょう。
逆に、大企業で10年程度の経験を持っている方であれば過去の実績から採用されやすいでしょう。
筆者も1度自営業を諦めかけて再就職しようと考えたとき、応募先企業の採用担当者から
「今ならサラリーマンに戻っても大丈夫そうですね」
と声をかけられたことがあります。
それほど自営業者に対して採用担当者は組織で働くことが苦手なイメージを持っているということです。
年齢に対するスキルや経験が合わず任せるポジションがないため
自営業が再就職を考えたとき、年齢に対するスキルや経験が合わず任せるポジションがないという問題に突き当たる傾向があります。
ポジションとして評価される軸としては
- 組織理念や組織文化を体現して仕事ができるか?
- 上司・同僚・部下と協力関係を作りながら仕事を推進できるか?
- 営業部やマーケティング部など専門組織内で活躍できるほどスキルがあるか?
- 組織力を最大化できるような活動ができるか?
があります。
これらは、年齢が高くなればなるほど高いレベルで実施できることが求められます。
40代となれば直接、マネジメントに関する質問が面接でされるでしょう。
もし、40歳を超えているなど年齢が高めの方は、自営業に未練があるならば、踏みとどまって本当にこれまでの努力を全て捨てる選択をするのかを考えましょう。
自営業を辞めることは可能ですが、サラリーマンの世界が肌に合わずにまた自営業になったらゼロからやり直しです。
これまでお客様と構築してきた信頼関係や金融機関とのお付き合い、地域からの信頼も全てなくなります。
40代以降は自営業からの再就職は慎重に考えましょう。
一方で20代であれば第二新卒の形で採用されるケースもあるため転職の難易度は下がります。
スキルさえあれば内定が出やすいでしょう。
事業失敗をしているため、能力に不安がある
自営業者が採用されにくいポイントの1つとして、事業に失敗しているため能力に不安があるというポイントがあります。
もし自営業で儲かっているならば、再就職をする必要がありません。
面接ではその点をしっかりと説明する必要性があります。
事業に失敗した方は自責で振り返りができているかが重要となります。
稀に利益は出せているが将来を不安視して再就職する方がいますが、その場合はその旨を率直に伝えれば良いでyそう。
筆者はかつて元カードショップ経営者の方を面接したことがあります。
利益そのものは十分出せており、源泉徴収票や売上明細などを提出されました。
能力が十分あると判断できたため採用に至っております。
ですが邪推されると
「儲からないからサラリーマンになろうなんて虫が良いのではないか」
と思われることもあります。
なぜサラリーマンに戻りたいのかを明確に伝えられるようにしましょう。
次では、自営業から再就職を成功させるコツについて解説します。
ぜひスムーズな内定獲得のためにお使いください。
自営業から再就職を成功させるコツ
自営業から再就職を成功させるには採用担当者の持つ自営業への偏見を面接の場で払しょくすることです。
そのためのコツとして以下があります。
- 再就職を考えた理由を懇切丁寧に説明する
- 自営業時代に実践した創意工夫や実績について数字を用いて説明する
- 自発的に仕事を行えるなど元自営業者を採用するメリットを会社に説明する
- 自営業が採用されやすい職種や業界を選ぶ
- 転職エージェントを必ず利用する
再就職成功のコツについて、それぞれを解説します。
再就職を考えた理由を懇切丁寧に説明する
自営業は再就職を考えた理由を懇切丁寧に説明することが重要です。
サラリーマンに戻ると考えた理由の伝え方で採用されるかどうかが大きく変わります。
誰が聞いても納得できるようなシンプルな理由にまで落とし込みましょう。
ただし、
「売上が不安定で仕掛けた商売も全て当てが外れた」
というような能力不足や努力不足から来るような内容は評価が悪いため避けてください。
企業は勝負に負けた人を雇いたいとは思っていません。
面接官にもよりますが「運がいい人」と思っている人しか採用しないという方もいます。
高評価な再就職の理由としては
「自営業として働いてきたが、チームで働くことの良さを実感した」
といった内容です。
自営業の経験で辛かったことを思い出し、前向きにサラリーマンになることで解消できる理由で再就職したいと伝えてください。
前向きな内容を懇切丁寧に説明することが再就職への近道です。
自営業時代に実践した創意工夫や実績について数字を用いて説明する
再就職するにあたっては、自営業時代に実践した創意工夫や実績について数字を用いて説明するようにしましょう。
全て自分で判断して行動できるため、サラリーマンよりも考え実行しているはずです。
企業の採用担当にとっては主体性が強く行動力ある方は魅力的です。
自営業で工夫した点や成功した点を積極的に伝えましょう。
特に数字を交えて伝えることで、具体性がぐっと上がり高評価に結びつきます。
自発的に仕事を行えるなど元自営業者を採用するメリットを会社に説明する
採用担当者に自営業者を採用するメリットを積極的に伝えましょう。
自営業は全て自己責任のもと自発的に考え行動するといったサラリーマンにはない強みがあります。
企業内には受け身社員が多く在籍したり、挑戦する人物がいないため凝り固まっているなどの問題があるため、好意的に受け取られるでしょう。
仕事獲得のためにどのように行動したか、また仕事を継続してもらうためにどのような取り組みを行ったのかといった営業努力やスキル習得の工夫を懇切丁寧に説明し自分自身を採用するメリットを伝えましょう。
現在の企業の人材育成方針の主流は自立型人材の育成です。
サラリーマンとなっても自発的に仕事が出来るという点を強調しましょう。
自営業が採用されやすい職種や業界を選ぶ
自営業は、自営業が採用されやすい職種や業界を選択することが重要です。
なぜなら、元自営業が活躍している職種と業界があるためです。
銀行など堅い業界は不向きです。
逆にITエンジニアや不動産営業、店舗運営など自営業の勘や経験が活きる仕事がたくさんあります。
基本的には成果主義または実力主義の職種と業界が自営業に合うことが多いでしょう。
自分自身が求められ、経験を活かすことが可能な業界を選ぶようにしてください。
転職エージェントを必ず利用する
自営業の方ほど、転職エージェントを必ず利用するようにして下さい。
上述したような自営業が採用されやすい職種や業界などを教えてもらったり、過去に同様の経歴の事例などを聞くことが可能です。
さらに、採用したい人物像を転職エージェントは把握しているため、あなたにマッチした求人も提案してもらえます。
転職エージェントのあなたへの態度で、温度感や転職可能性も把握できます。
利用にかかる費用は採用する企業が支払うため転職者は完全無料で利用が可能なため、利用しないと損といえます。
現実的にどのような転職が可能なのかを転職エージェントに相談するところから始めましょう。
ではどのような転職エージェントに相談すれば良いのでしょうか?次で解説いたします。
おすすめの転職エージェント
「自営業から再就職する場合、どの転職エージェントがおすすめなのだろうか」
と気になりませんか。
自営業が転職エージェントを選ぶ場合には、求人数が豊富で未経験者を歓迎しており、丁寧なアドバイスをしてくれる転職エージェントがおすすめです。
特に家業を継いでサラリーマンをした経験がない方ほど、求人数が多いことや丁寧なアドバイスが効いてくるためです。
おすすめの転職エージェントは以下の転職エージェントです。
- リクルートエージェント
- マイナビAGENT
- ワークポート
それぞれについて解説します。
リクルートエージェント
リクルートエージェントは業界No.1の求人数を誇る最大手の転職エージェントです。
自営業が突き当たる問題に求人数を確保することが難しいという問題があるため、おすすめです。
担当者につくキャリアコンサルタントも経験豊富なため良い転職を実現できる可能性があります。
リクルートエージェントを活用し、早期に内定を目指しましょう。
マイナビAGENT
マイナビAGENTは、20代から支持されている転職エージェントであす。
大手であるため知名度の高い企業や大手企業の求人も多数あります。
マイナビAGENTで適切なアドバイスを受け、内定獲得を目指しましょう。
ワークポート
ワークポートは未経験者歓迎求人を多数用意している転職エージェントです。
もともとIT専門の人材紹介をしていたため未経験OKのITエンジニア求人もあります。
Web系フリーランスをしている方から様々な種類の自営業に対して求人提供をすることが可能な体制を持っています。
ITスキルがある方やIT業界を希望する方はワークポートへの相談がおすすめです。
まとめ
今回は、自営業から再就職について解説しました。
自営業が再就職するにあたっては、以下のような偏見と不利を払しょくするため闘う必要性があります。
- サラリーマンとして組織で働くことに苦手なイメージがあるため
- 年齢に対するスキルや経験が合わず任せるポジションがないため
- 事業失敗をしているため、能力に不安がある
自営業から再就職するためには以下のコツがあります。
- 再就職を考えた理由を懇切丁寧に説明する
- 自営業時代に実践した創意工夫や実績について数字を用いて説明する
- 自発的に仕事を行えるなど元自営業者を採用するメリットを会社に説明する
- 自営業が採用されやすい職種や業界を選ぶ
- 転職エージェントを必ず利用する