内定お礼状の必要か?書き方と出さないデメリットを解説
「内定のお礼状ってどう書くの?」「内定のお礼状は出したほうがいいの?どっち?」と悩んでいませんか?
私は採用担当として上場企業の採用担当を約10年間担当し、内定のお礼状を何度も見てきました。
その経験からお答えすると内定のお礼状を出す人は現在ではほとんどおらず、1,000人に10人程度の割合(1%)となっています。
「つまり出す必要はない」と筆者は考えています。
そして出さないデメリットもありません。
このようにお答えすると「では、内定のお礼状とは何ですか?」という質問がよくきます。
そこで、内定のお礼状の意味合いや出す必要性、書き方の注意点を採用担当者の立場から解説していきます。
中には内定のお礼状で印象が下がった方もいます。
失敗のない内定お礼状を出したい方は必ずチェックしてください。
目次
内定のお礼状とは「内定のお礼の意を示すこと」のこと
内定のお礼状を出す意味は、内定のお礼の意を会社に対して示すことです。
内定を出してくれた会社に対して、お礼の気持ちを込めて自分から出すものです。
特にあいさつとお礼をしっかりと記載するように注意してください。
お礼状は必須ではなく送付しなくても印象が悪くなることはない
お礼状を書いても書かなくても、特に問題はありません。
人事を10年ほど経験してきて、2,000名ほどは内定を出した経験がありますが、内定のお礼状を書いてくる人は少ないです。
内定のお礼状を貰うと、送ってきた学生は、律儀な学生だなとは思います。
お礼状を貰わなくても、特に何か特別な感想を覚えることはありません。
お礼状のあるなしで、特に何か特別な変化はありません。
人事歴10年の経験では内定のお礼状を送付する人は1%くらい
内定者1,000人のうち、お礼状を書いてくるのは、おおよそ10名ほどで、全体の1%程度です。
最近では、内定から内定式までの日にちが短いケースもあり、お礼状を送る間もなく内定式なので、出す暇もないというケースも多くなっています。
ちなみに内定のお礼状を出したからといって印象が良くなって配属先が優遇されるなど、特別なことは何もありません。
本当に気持ちを届けるものだと理解しておきましょう。
お礼状の送付が遅れた人は送るのを止めよう
お礼状の送付が遅れた人は、お礼状を送るのは止めるようにしましょう。
無理をして出すものではありませんし、出しても出さなくても、印象が悪くなることはまずありません。
それより人事担当をしていた筆者としては入社後の会社のことを気にするよりも、最後の学生生活を思い切り楽しむほうが大切であると思います。
学生時代が人生で最も自由な時間なので、思い切り遊んで悔いなく卒業を迎えて下さい。
転職者も内定のお礼状は出すべきか?
新卒者と同様に、転職者も内定のお礼状を無理をして出す必要はありません。
理由としては、転職者の場合は、受入日まで日が短いケースもありますし、内定を出した先の部署である人事は、入社後に深い関りを持つことがないためです。
実際に配属される部署の上司にまでお礼状が回ることは実際には10%もありません。
過度に気にしなくて問題ありません。
人事情報を人事部以外の人間である、配属先の管理職に安易に流すことができないためです。
内定のお礼状を出すケースとは
お礼状を出すケースとして2個のケースがあります。
一つ目は、最終面接から内定式など、実際に会うまでの期間が半年以上先というケースです。
必ず出す必要のないものであるとはいえ、学生や転職希望者からお礼状が届くと嬉しいものです。
二つ目は、第一志望の会社で、絶対に入りたいと思っていた会社に入れた場合です。
自分自身のモチベーションを伝える意味でも、しっかりと伝えるようにしましょう。
お礼状を宛名(送付先)は人事部が一般的
お礼状を出す宛名としては、人事部が一般的です。
理由としては、学生や転職希望者からお礼状が届いても、個人情報保護の観点から人事部の社員以外が個人からきた書類を開封することができないためです。
必ず人事部宛に送付するようにしましょう。
お礼状を送付するなら翌日までに出しましょう
お礼状を送付するなら、翌日までに出すようにしましょう。
最遅でも2週間以内には届くようにしたほうが良いです。
理由としては、お礼状を出す日にちが空いてしまうと、お礼状を出す効果が薄れるためです。
心理的なものですが、早ければ早いほど、お礼状が届くと嬉しいという心理になります。
2週間以上、日にちが経つと、受け入れ準備などを始めているため、お礼状の効果が薄くなってしまいます。
お礼状を出すなら手紙で送ることがおすすめ
せっかくお礼状を出すのであれば、メールは避けるようにしましょう。
出来れば手紙を出すことをおすすめいたします。
若手の採用担当者はメールに抵抗がありませんが、年配の人事担当者は手書きの方を好む傾向にあるためです。
気持ちを届けるお礼状は手書きが基本
内定のお礼状はできれば、パソコン作成よりも、手書きの方がよいといえます。
理由としては、若手の人事担当者は、メールなどでも抵抗はありませんが、年配の部課長クラスの人事は手書きの文章に親しみを感じるためです。
そもそもパソコンをほとんど使えない年配の人事の方もいらっしゃいますので、出来れば手書きが良いです。
字の奇麗さは過度に気にすることなく、思いの伝わるように手書きで書くようにしてください。
ただし、誰が見ても「字が汚い」と言われる方は送らない方が良いでしょう。
手抜きと思われるのが一番避けたいポイントです。
お礼状の内容と送付方法
お礼状の詳細な書き方は次章で紹介しますが、内容としては、採用されたことに対するお礼を述べることがお礼状作成では大切です。
また、送付方法などにも気を遣うようにしましょう。
採用されたことに対するお礼を述べる
内容としては、採用されたことに対するお礼を述べるようにしましょう。
入社後の意気込みなども、伝えると非常に良いです。
便箋は白地でシンプルなものを選ぶ
便箋としては、白地で無地のものが一番無難なので、デザインにこだわる必要はありません。
過度に装飾されたものを選ぶのではなく、白い紙に書けばそれで問題ありません。
内定承諾書や社会保険事務手続きに必要な書類があれば一緒に送付する
内定承諾書や、社会保険事務手続きに必要な年金手帳など、必要書類があれば一緒に添付するようにしてください。
【例文付き】お礼状の例文と書き方のポイントを解説
①○○株式会社
管理本部人事部 採用担当者 ○○様
②拝啓
③梅雨の候、貴社貴社ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
④先日は多忙の中、面接の機会をいただきありがとうございました。
内定の連絡を受けて、非常にうれしい気持ちでいっぱいです。
4月より入社し、一日でも早く戦力となれるように、尽力して参りたいと考えております。
学生時代の残り時間を悔いなく過ごしたいと思います。
(内定承諾書と、指定された書類を同封させていただきます)
⑤敬具
⑥2019年●月●日
○○大学
氏名○○○○
①部署名と担当者名は忘れずに記載する
部署名と担当者名は忘れないようにしてください。
特に名前を間違えると、失礼にあたりますので、しっかりと担当者名は確認するようにしてください。
②頭語を必ず入れる
拝啓など、頭語を必ず入れるようにしてください。
③季語とあいさつ
お礼状を送るときの月に合わせた季語を入れるようにしてください。
季語は下記の表を参考にすると良いでしょう。
月 | 季節の挨拶・季語 |
---|---|
1月 | 新春の候 |
2月 | 余寒の候 |
3月 | 早春の候 |
4月 | 陽春の候 |
5月 | 新緑の候 |
6月 | 梅雨の候 |
7月 | 猛暑の候 |
8月 | 残暑の候 |
9月 | 初秋の候 |
10月 | 秋冷の候 |
11月 | 晩秋の候 |
12月 | 寒冷の候 |
④主文を入れる
主文を入れるようにしてください。
主文の出だしとしては、まずは、先方に対して、時間のない中で面接をしてくださってありがとうございますという内容から書きだすとスムーズに書けます。
主文は素直な感謝の気持ちを書くようにしよう
内定のお礼状には、決まったフォーマットはありますが、主文には素直な感謝の気持ちを書くようにしましょう。
入社後の抱負などを合わせて書くと、より気持ちが伝わる前向きな文章になります。
⑤結語をいれる
頭語と同じく、文章の終わりには必ず結語入れるようにしてください。
⑥日付と署名を入れる
日付と署名を忘れないように必ずいれるようにしてください。
特に、署名がないと誰が差出人かわからず、封筒をいちいち確認する手間が発生してしまいます。
コラム:縦書き・横書きどちでも問題ない
縦書きでも横書きでも、どちらでも問題ありません。
しかし、横書きの方が、文章として読みやすいので、横書きをおススメいたします。
縦書きだと文字を横目で拾って読むので、読みにくいと感じる採用担当者もいます。
一目で目に、文章全体が入る横書きで書くようにしましょう。
まとめ
内定のお礼状は、必ずしも出さなくても良いものです。
お礼状を書いて採用担当者に感謝の気持ちを伝えたい場合など、感謝の気持ちを伝えたい場合に送るようにしましょう。
また、せっかくお礼状を出すのだから、メールではなく、できれば手書きで手紙を書くようにしてください。
年配の人事担当者などは手書きのお礼状を見て、丁寧な人物だなと好印象を持つことも多いです。
便箋のデザインなどは、特にこだわる必要はありません。
白地の紙であれば問題ありませんので、出来るだけ気持ちが伝わるように書くようにしてください。