社内ニートとは?辛いと言われる理由や社内ニート化する原因を人事が解説
社内ニートをよく知らず、
「社内ニートとはなに?分かりやすく意味を教えて」
「社内ニートが辛いのは本当?仕事がないのは最高じゃないの?」
「社内ニートになったらどうなるの?原因や対処法を教えて」
と気になりませんか?
社内ニートとは、会社内で仕事がない社員のことです。
仕事がないことは楽な気がしますが、毎日一人だけ仕事がなく過ごすのは非常に辛い状態となります。
筆者はこれまで約10年ほど人事を経験し、社内ニートの問題にも取り組んできました。
特に日本では会社に出勤すれば仕事をしたと判断されるため、社内ニートを解雇したり不当な扱いをすることはできません。
そのため、会社側には社内ニートがやる気を出せるように指導する義務があります。
この記事を読めば、社内ニートについて理解することができます。
社内ニートについて気になっている方はぜひ、最後まで読んでいって下さい。
目次
社内ニートとは?意味をわかりやすく解説
社内ニートとは会社内で仕事を全く与えられない社員のことを指します。
「私も暇なとき社内ニートかも」と思われるかも知れませんが、社内ニートは暇な時がある、というレベルではありません。
会社に来ても本当に何の仕事もない状態の社員のことを社内ニートというのです。
いくら暇なときであっても、
「来週に向けて少し資料を作っておけなければならない」等どんな社員でも一般的には仕事があるはずです。
ですが社内ニートは仕事が本当にゼロです。雑用の仕事すらありません。
机に座ってパソコンを眺めて1日が過ぎるのを待つことになります。
「少し整理整頓したり他の人のデスクを掃除して回ってはどうなのか?」
と思われるかも知れませんが、そういうことは社内ニートは一通り経験しています。
それでもなお仕事が与えられない状態が社内ニートです。
次は、社内ニートの1日の過ごし方について解説します。
社内ニートの1日の過ごし方
社内ニートの1日の過ごし方としては、
「机で無意味に時間が過ぎるのを待つ」というパターンから
「トイレでずっとタバコを吸ってスマホ見ている」というパターンまで様々なパターンがあります。
それらを具体的に紹介すると以下の過ごし方があります。
- トイレでスマホ・喫煙して定時まで過ごす
- 机で目をひらいたまま寝る
- 1日中喫煙所から帰ってこない
- トイレで株価チェック
- 仕事机で仕事せず資格のお勉強
- エクセルを開いて閉じる作業を1日中やっている
それぞれについて解説します。
トイレでスマホ・喫煙して定時まで過ごす
社内ニートは机に座っていても仕事がありません。
社内ニートの時間のつぶし方として、トイレでスマホをいじったり、喫煙をして定時まで時間を過ごすというパターンがあります。
机にいても仕事がないのがバレるような気がするためです。
実際、周囲には仕事をしていないことがバレバレです。
机で目をひらいたまま寝る
筆者が目撃した最強の社内ニートは会社に来て机で目を開いたまま眠っている先輩です。
夜遊びの激しい人でずっと勤務時間中は寝て、定時になったら即帰宅するタイプの方でした。
2年ほど勤務して他の会社に転職されたため、もともと腰掛のつもりで会社に来ていた可能性が高いですね。
プロの社内ニートと言えるレベルの方です。
ただ、上司との飲み会にだけは積極的に参加するなど保身には非常に長けた方でした。
1日中喫煙所から帰ってこない
1日中喫煙所から帰ってこない社内ニートもいます。
開き直っているタイプの社内ニートです。
机についたらさっさと喫煙所に行き1日帰ってこないのです。
ここまでの状態になるともう改善することは難しいですね。
トイレで株価チェック
トイレで株価をチェックする社内ニートは多いです。
早く株で稼いでアーリーリタイアを目指しているということですね。
それだけ会社を辞めたいということの現れです。
現実的には仕事をして仕事能力を身に着けると労働収入がアップしてもっと投資に回せるお金が増えると思いますが、そちらには興味が無いようです。
仕事机で仕事せず資格のお勉強
仕事机で仕事をしないで一日中資格のお勉強をしている社内ニートもいます。
本来は上司がたしなめるべきですが、もうどんな仕事を振っても無駄ですから放置されています。
実際問題として資格を取得したところで実務経験がなければ転職も独立も厳しいのが実情です。
現実逃避しているタイプの社内ニートです。
エクセルを開いて閉じる作業を1日中やっている
本当に究極的に仕事がなくても仕事をやっているフリをするにはパソコンを活用する方法があります。
エクセルを開いて閉じる作業を1日中やるという方法です。
画面を適切なタイミングで開いて閉じるを繰り返すことで他の部署の社員からは仕事をしているように見られます。
ただ、同じ部署の社員からは、
「こいつ仕事くらいしろよな。何をしに会社に来てるんだ」などと冷たい視線を向けられていますね。
仕事ができる人にとっては「仕事せずにお金を貰えるなんて最高!」と思っているかも知れませんね。
ただ、社内ニートには次に紹介するような辛さがあります。
社内ニートの辛い点とは
「社内ニートっていいなぁ」と思っていませんか。
実は筆者も社内ニートがうらやましいと思っていたタイプでした。
忙しく給料分以上の仕事をしている人にとっては
「何もせずにお給料もらえるなんていいなぁ。錬金術師か」と思ってしまいますが社内ニートには実は以下のような辛さがあります。
- 評価されない
- 賞与が下がっていく
- 後輩に先に昇進されてタメグチを聞かれる
- あいつみたいにはなるなよと人格否定される
- 社内ニートが続くとうつになる人もいる
それぞれについて解説します。
評価されない
社内ニートは会社から評価されません。
当たり前といえば当たり前ですが、評価するための仕事実績がないためです。
評価は万年Bマイナス評価となり、昇給でも同期に後れをとっていきます。
筆者が経験した会社では30歳を過ぎても月給が20万円台前半の社員には社内ニートが多いです。
賞与が下がっていく
社内ニートは賞与が下がっていく傾向にあります。
賞与は評価期間にどれだけ会社に貢献したのかを問われるためです。
社内ニートは評価算定に必要な仕事ができていないので賞与がだんだん下がっていきます。
会社に貢献していない以上、仕方ありません。
後輩に先に昇進されてタメグチを聞かれる
社内ニートをこじらせると、最終的には後輩が上司になっていきます。
昇格条件を満たすことが社内ニートには難しいためです。
管理職に昇格するためには会社の経営陣が納得する実績が必要です。
後輩が上司になり、敬語を使われずタメグチになっていく可能性が高いです。
あいつみたいにはなるなよと人格否定される
会社にとって社内ニートは悪い見本です。
そのため「あいつみたいには絶対になるなよ」と周囲に揶揄され人格否定される可能性があります。
尊敬される存在とは異なり、後輩からも嘲笑されるようになることもあります。
一度その状態になると挽回するチャンスがなくなっていきます。
社内ニートが続くとうつになる人もいる
社内ニートが続くとうつ病になる人もいます。
「仕事が忙しくて残業漬けでうつ病になるなら分かるけど暇でもなるのかな」と疑問を持つかもしれません。
しかし、実際問題として職場で嘲笑されたり居場所がない状態になると孤立感を深めることにつながっていきます。
社内ニート問題はメンタルを病んでしまうほど深刻な問題ということです。
「いっそのことクビにしたほうが本人のためでは?」と気になりませんか。
次は、社内ニートがクビにならない理由について解説します。
社内ニートがクビにならない理由
日本では社内ニートをクビにすることは不可能です。
仕事をしていない社員を日本の労基法では解雇することができないためです。
なぜならただ仕事をしていないだけなので懲罰対象にはできないですから、自分から辞めるように仕向けるしか方法はありません。
「なぜそんなに解雇するのが難しいのか」と気になっている方はぜひ、以下の記事を読んでいって下さいね。
参考:リストラされたらどうする?知っておくべき解雇4要件と2つの選択肢
では「なぜ社内ニートが誕生してしまうのか?」と気になりませんか。
次は、社内ニートが出来てしまう理由について解説します。
社内ニートはなぜできるのか?
社内ニートができる原因は会社側と労働者側双方に原因があります。
社員教育をしっかりとしない会社側と、仕事をせずにお金をもらうことに慣れてしまう労働者側双方に原因があります。
具体的には、以下のような原因で社内ニートは誕生します。
- 教育が十分にできていない
- 人員が余っている
- 仕事でミスが多い
- 仕事のミスを言い訳ばかりする
それぞれについて解説します。
教育が十分にできていない
社内ニートができる原因として、社員教育が不十分という問題があります。
社員教育がしっかりとしていれば、社内ニートは生まれないためです。
例えば、「どのように仕事を進めることが理想的なのか」という考え方の問題や、
「仕事がないときはどうやって仕事を探すのか」など初歩的な教育ができていないため社内ニートが生まれてしまいます。
このケースにおいて会社側は社内ニート問題について猛省すべきです。
育成に関する興味関心が低すぎるために社内ニート化していることを理解しましょう。
人員が余っている
社内ニートができる原因として人員が余っていて仕事がないということがあります。
この問題は教育不十分問題と同じように会社側に責任があります。
仕事がない状態が続くようであれば社員を異動させるなどして仕事が十分に与えられるようにする必要性があります。
どんどん仕事を任せたり新しいことにチャレンジする企業風土であれば人員が余ることはないでしょう。
社内ニートが存在する場合は権限委譲や組織風土から見直しましょう。
仕事でミスが多い
社内ニート自身の問題点として、仕事でミスが多く任せる仕事がないという問題があります。
いくら仕事量があってもミスを連発されると手戻りの対応のためより忙しくなります。
丁寧にレクチャーをしても本人の注意力がない場合、ずっと付きっきりとなり工数がかかりすぎます。
その結果、仕事を任せる側が不安になってしまい自分や他の人で対応してしまい仕事がなくなります。
社内ニートの方は同じミスを減らすことに全力を注ぎましょう。
仕事のミスを言い訳ばかりする
仕事の失敗に対し言い訳ばかりする方も社内ニートになる傾向があります。
失敗には他責と自責があります。
「◯◯だったから」「私は確認した」などと言い訳ばかりせず、
「◯◯が原因だと思います。以降は同様のことが起こらないように事前に対処します」などと建設的な話し合いにしましょう。
特に、「私は確認した」「◯◯さんが◯◯と言っていた」などと身の潔白を説明する方がいますが逆効果です。
発生したミスに対して身の潔白を証明するよりもまずはミスの対応や再発の防止に全力を注ぎましょう。
もし、身の潔白を説明するばかりの場合は
「また仕事で上手く行かなかったとしても理由だけ説明されて進まない。めんどくさいから仕事をお願いするのはやめておこう」
といった形で仕事が回ってこなくなる可能性があります。
結果、社内ニート化が進みますのでお気をつけください。
次では、もしあなたが社内ニートになったときの対処法についてお伝えします。
社内ニートは開き直るか異動・転職するか早く決めよう
日本は正社員を雇用したら65歳の定年を迎える日まで基本的に解雇することはできません。
そのため、開き直るか早く転職活動をするかを決める必要性があります。
30歳を超えて特別なスキルがない場合は転職できなくなる可能性があるためです。
社内ニートを貫くか辞めるかいま決めましょう。
決断しないまま先延ばしにした場合は後悔してしまう可能性もあります。
1日も早く会社に居座るか、転職するかを決めてしまいましょう。
まとめ
今回は、社内ニートについて解説しました。
特に本文中でも解説しましたが、社内ニート問題は本人だけに問題があるわけではありません。
仕事を適正に労働者に振らない会社側の責任と、本人の態度が悪いといった問題があります。
いずれにせよ会社に居座るか、それとも若いうちに転職するかを決めることが重要です。