出向に選ばれる人の特徴とは?選ばれる理由や背景・拒否をできるのかを解説

出向に選ばれる人の特徴!

出向に選ばれる人の特徴や、出向と左遷の違いについて気になりませんか。

出向には種類があり、栄転・左遷どちらの可能性もあります。

筆者は約10年ほど人事を経験し出向者の決定に携わっており、その経験に基づき選ばれやすい人の特徴について紹介していきます。

出向は拒否できない

後述しますが出向は拒否できません

もし出向が嫌な方は早めの転職を検討しましょう。

50歳や60歳で出向になった場合、転職先の選択肢が少なく将来苦労するためです。

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出向に選ばれる人とは

出向に選ばれてしまう人は会社から評価されている人もしくは会社に従順ではない人です。

具体的には、以下のような人です。

  • 仕事ができる人として社内で目立っている人
  • 会議などで上役に嚙みついてしまう人
  • 自分勝手に仕事を進める人

それぞれについて解説します。

仕事ができる人として社内で目立っている人

仕事ができない人が出向させられるパターンが多くあります。

ですが仕事ができる人も目立ってしまい出向要員の対象になりやすい傾向です。

仕事ができる人は上役に目を付けられやすいためです。

特に仕事はできるけれど敵も多いという人は要注意です。

出向の決議の場では、出向に反対する人が少ない人ほど狙われやすくなります。

また、役員などの上役の中には仕事は出来ないけれど、経営陣に取り入るのが上手いだけで出世した人が一定数います。

そういう仕事のできない役員は仕事のできる人間を目の敵にしているということも忘れないでおきましょう。

仕事ができると言っても完全に安全は確保されていません。

会議などで上役に嚙みついてしまう人

出向に選ばれる人の特徴として、会議で上役に噛みついてしまう人が挙げられます。

会議で何も言わないのも問題ですが、上役の無茶な指示に素直に従えない人は厳しいです。

器の小さな上司がいる組織では特に意見を言うことがそのまま上司に反抗的だという評価になることもあります。

会社風土にもよりますが上役の器が小さい組織では会議は無難にこなす方がいいでしょう。

反対に意見を言わないことが悪い評価につながっていく組織では積極的に発言することが身を助けます。

社風を読んで発言するようにしましょう。

自分勝手に仕事を進める人

協調性がなく自分勝手に仕事を進める人も出向させられやすいです。

協調性がなくとも周囲と信頼関係が築けていれば良いですが、自分勝手に仕事を進める人に協調性があることは稀なためです。

周囲から信頼がなければ誰を出向させようかと考えたときに「あいつがこの職場から消えても何も困らない」という判断をされやすくなります。

協調性がない人は常にターゲットになっている可能性があることを認識しておきましょう。

出向は拒否できない

後述しますが出向は拒否できません。

もし出向が嫌な方は早めの転職を検討しましょう。

50歳や60歳で出向になった場合、転職先の選択肢が少なく将来苦労するためです。

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出向と左遷、転籍の違いとは?

「出向と転籍ってどう違うの?」と気になりませんか。

結論からお伝えすると、出向は元いた会社に籍を残したまま身体だけが異動します。

そのため出向では健康保険証や年金・福利厚生などは変わりません。

一方で転籍は、実質元居た会社に戻ることはできないように健康保険や年金・福利厚生も完全に転籍先の会社になります。

左遷は出世の見込みがなくなった人を揶揄(やゆ)して使う言葉であり人事用語ではありません。

出向 元の会社に籍がある
転籍 元の会社から籍がなくなる
左遷 出世の見込みがなくなった人を指す言葉

出向はまだ元の会社に戻れるチャンスが残っています。

一方で転籍に関してはほとんど元の会社に戻ることができるチャンスがありません。

転籍の場合は、もう親会社に見切りをつけられたと考えるのが本筋でしょう。

ところで、ネガティブなイメージの出向ですがポジティブな出向もあります。

その代表例が親会社への逆出向です。

親会社への逆出向はチャンス

親会社への逆出向はチャンスです。

親会社で学んだ知識や経験をもって出向期間終了後は活躍を期待されるためです。

親会社に逆出向で推薦されるということは、親会社に見せても恥ずかしくなり社員ということです。

親会社への逆出向を打診されたら左遷ではなく栄転のチャンスだと思うようにしましょう。

一気に出世する大チャンスですから、迷わず引き受けましょう。

次は、銀行と公務員の世界の出向について解説します。

公務員・銀行の出向は民間よりも悪い意味を含む

メーカーや商社等は関連会社や取引先が多岐にわたり技術交流の必要性があるため、出向は珍しいことではありません。

一方で公務員や銀行は取引先こそ多いものの、出向をして技術交流などをする必要性はありません。

そのため積極的に出向して外部と交流するよりも内向きの業務が評価される世界ですから、出向は左遷といって差し支えないでしょう。

組織編成上・業務性質上必要ない出向に選ばれれば左遷です。

公務員・銀行員は東京から離れるほど出世は遠ざかる

公務員で中央省庁に勤務している労働者や、銀行員(特にメガバンク)は東京から離れるほど出世から遠ざかる傾向にあります。

公務員の中央省庁に勤務する人にとっては一番権力中枢に近い東京で勤務することがもっと良い出世コースとなるためです。

また、銀行についても本店である東京本店から遠ざかるほど出世が遅れるとも言われています。

ですが出向に関する全てのケースで上述の内容とは限りません。

ポジティブな出向もあるためそのケースについて解説します。

若手や新卒が出向させられるのは単に組織機能の問題

「新卒なのに出向させられてお先真っ暗です」という方もいるかも知れませんね。

心配にはなるかも知れませんが、若手や新卒が出向させられるのは単に組織機能の問題であり勤続年数を重ねると自然と本社に戻れるケースもあります。

具体的には、以下のようなケースです。

  • 営業所や工場が別会社の場合
  • 人事部付けなど一時処遇の場合

それぞれについて解説します。

営業所や工場が別会社の場合

営業所や工場が別会社の場合、形式的に新入社員を出向させることになります。

本社の事務職だけが親会社扱いで、営業所や工場で働く人は別会社というパターンですね。

待遇などが変わることもありませんし、単に形式だけの問題ですから気に病むことはありません。

特にメーカーではよくある出向形態です。

筆者が在籍していたメーカーでは営業所に配属される新人はいきなり出向扱いになるため、落胆する新人もいましたが3年もすると本社に戻ってきます。

人事部付けなど一時処遇の場合

人事部付けは完全に一時処遇の話です。

人事部付けはまだどこにも配属先が決まっていない社員が一時的に人事部の予備軍して配置しておくだけの話ですから、どこの会社でも行っている形式的な事務処理に過ぎません。

あくまでも形式的なものですから、気にしないでおきましょう。

本配属先が決定すれば自然に解消されます。

出向先でいじめて解雇する会社も存在する

出向先でいじめて解雇をもくろんでいる会社もあります。

日本は解雇規制がとても厳しく、リストラするのは非常に難しいです。

本人が死亡したというケース以外では社員を退職させることは実質不可能となっているためです。

そのため解雇規制をクリアするために出向先でいじめさせて退職に追い込むといったこともあります。

事例としては日本レストランシステム事件があります。

日本レストランシステム事件は出向命令が無効化しているにも関わらず出向先に社員を在籍させ続けた上に不当に低い人事考課を付けたという事件です。

参考:明るい職場応援団 日本レストランシステム(人事考課)事件 大阪地裁平21.10.8判決 労判999号69頁|厚生労働省

日本レストランシステム事件では、明らかに会社の行った人事考課が不当だと判決がなされています。

典型的ないじめ出向の事例といえるでしょう。

もしも社員をいじめて退職させることが目的であると裁判所がみなせば出向の命令は無効になります。

ところで「出向になったら退職も覚悟した方がいいのかな」と気になりませんか。

次では転職すべきかどうかについて解説します。

理想の仕事を見つける最短ルート

「出向に選ばれる前に転職したい」

転職を考えたら、まずは情報収集から始めましょう。

しかし、自分で求人を探していても理想の仕事を見つけるのは大変ですよね。

しかも、実際に働いてみたら思っていたよりも自分に適性のない仕事だったなんてこともあります。

探す段階でつまづいてしまっては元も子もありません。

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出向は拒否できない!栄転出向でない場合は転職を検討するべき

出向は拒否できません。

たとえ住宅ローンでマイホームを購入した直後に出向を命じらたとしても、よほどの事情を抱えていない限り免除されることはないと言えるでしょう。

企業にはどこに人を配置するか決定することを認められているためです。

また、出向先に本人を配属するかどうかの調整は水面下ですでに進められており、出向先会社と確約をしてから本人に伝えられます。

無理やり命令されているようにも感じますが、会社間で調整された結果のため通常の異動よりも拒否しにくいでしょう。

筆者としては、栄転出向ではない場合転職を検討するべきだといえます。

出向先によっては、親会社からの出向者には風当たりが冷たいためです。

出向は親会社から資本関係や取引関係のある子会社に対して行われることが一般的です。

「また親会社で使えないって言われてるやつが来たわ。無様なやつだ」

など基本的に出向者は嘲笑の対象になります。

本体の企業で仕事ができないという烙印を押された人材が子会社で威張っていると思われても仕方ありません。

威張っていたら陰口を言われますが、おとなしくしていても

「あいつは昼行燈だな。会社の利益に貢献できていない。あんなやつだから出向させられたんだな」

という風に言われます。

少し極端かもしれませんが会社文化によって多かれ少なかれ肩身の狭い思いをするでしょう。

定年退職する年齢はどんどん上がっています。

会社にずっとしがみつくには長すぎることもあるでしょう。

見切りをつけて早く転職して、自分らしく働くことも選択肢の一つと言えます。

もし本気で転職したいなら転職エージェントへの相談がおすすめです。

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まとめ

今回は、出向に選ばれる人について解説しました。

特に本文中でも解説しましたが会社に馴染めていない人や、現時点では事業に不要な人材が出向に選ばれます。

具体的には、以下のような人です。

  • 会議などで上役に嚙みついてしまう人
  • 自分勝手に仕事を進める人
  • 目立っている人(仕事ができる人)

基本的に飛ばしてもあまり問題がないという人が選ばれます。

不本意な出向であれば転職を検討しましょう。

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出向に選ばれてしまう基準について知り、対策を行うようにしましょう。

よくある質問と回答

どんな人が出向に選ばれやすいですか?

出向で選ばれる人の傾向として、仕事ができない人と周囲と協調して働くことができないタイプの人が出向に選ばやすいといえます。

仕事が出来ない人は典型的ですが、この他に仕事ができたとしても周囲から浮いてしまっていると出向させられる可能性が高いです。

出向は拒否できますか?

出向は拒否できません。もし出向を拒否すると原則解雇になってしまいます。

企業側の正当な人事異動発令となっているため、正当な理由なく出向拒否・人事異動拒否はできません。

育児中や介護中など特殊な事情を抱えている場合には出向を拒否しても免除される可能性があります。

どうしても出向したくない場合は上司と相談し、出向を他の人にできないかを相談するなど事情を説明してみましょう。

ですが原則、出向は拒否できないことを念頭に置いておきましょう。

監修者

上場・ベンチャー・中堅企業で様々な役割を経験。今なお、採用・人事の業務を最前線で経験し、「いま」の「生きた」知見を発信しています。