ベンチャー企業の管理部門はやめとけと言われる理由
本記事では、ベンチャー企業の管理部門はやめとけと言われる理由を紹介していきます。
実際に大手からベンチャーの管理部門に転職した経験者が紹介していきますので、ベンチャー企業の管理部門へ転職を検討しているはぜひ参考にしてください。
目次
ベンチャー企業の管理部門はやめとけと言われる理由
ここではベンチャー企業の管理部門はやめとけと言われる次の4つの理由を紹介していきます。
- 残業が多くハードワークであるから
- 給料が低いから
- 福利厚生が整っていないから
- 研修制度が整っていないから
これらは、筆者がベンチャーの管理部門で実際に働いた経験をもとに紹介しています。
また、紹介する順番は重要度順で紹介しているので参考にしてください。
残業が多くハードワークであるから
ベンチャー企業の管理部門は長時間残業ありのハードワークになってしまう傾向にあるため「やめとけ」と言われる理由になります。
なぜならベンチャー企業の多くは社員数が少なく、業務も細分化されていないため、幅広い業務を属人的にこなすことが多いためです。
実際に決算期等の繁忙期になると残業時間は多くなり、終電を逃してタクシーを利用したり、会社に泊り込みになったりと帰宅することも困難な状況が続く社員もいました。
このようにベンチャー企業の管理部門は期日が決まった業務を少人数でこなす必要があるため残業が多くやめとけと言われています。
業務が魅力でも、過酷な労働環境では働きたくないですよね。
求人内容を見て自分の担当する業務をしっかり確認し、また管理部門の社員数が極端に少ない場合は、担当する業務内容を確認しておきましょう。
給料が低いから
ベンチャー企業の管理部門へ転職すると給料は下がる傾向にあるため「やめとけ」と言われる理由になります。
起業したばかりの頃は企業の収益は低いことが多く、特にベンチャー企業はまだ事業自体が不安定で社員に対して支払える額が少なくなります。
特に筆者の場合はベンチャー企業の管理部門は間接部門のせいか人件費を抑える傾向にあると感じました。
このようにベンチャー企業に転職すると給料は下がる傾向にあるからやめとけと言われます。
福利厚生が整っていないから
福利厚生が整っていないベンチャー企業も多いため「やめとけ」と言われる理由になります。
起業したばかりの頃は企業の収益は低いことが多く、法定外福利(法律や法令に関係なく、企業が自由に設置できる福利厚生)まで手を回すことは難しいです。
例えば退職金や家族手当、住宅手当が無いなど、大手企業に比べて充実していないケースがベンチャー企業では見受けられます。
このようにベンチャー企業の多くは福利厚生が整っていないケースが多いため「やめとけ」と言われています。
研修制度が整っていないから
研修制度が整っていないベンチャー企業も多いため「やめとけ」と言われる理由になります。
実際、大手企業などは新入社員に対して数週間から半年などの長期の研修制度を踏まえて教育を進める企業が多いのですが、ベンチャー企業の場合は研修制度が整っていないことの方が多いです。
なぜならベンチャー企業では研修担当の人材不足や時間不足により研修に割く時間が少ない企業が多いからです。
ベンチャーの研修は入社直後よりOJTの企業が多く、実務に携わりながら教育する方法をとります。
このようにベンチャー企業の多くは研修制度が整っていないケースが多いため「やめとけ」と言われています。
ベンチャー企業の管理部門が向いていない人の特徴
管理部門はもともと専門性が高く向き不向きの大きい部門ですが、その中でもベンチャー企業の管理部門に向いていない人は以下のような特徴が考えられます。
- 成長意欲のない人
- 口が軽い人
- 経営視点が低すぎる人
- ワークライフバランスを重視したい人
- 予定通りに仕事進めたい人
- 安定志向が強い人
ここではベンチャーの管理部門に向いていない人の特徴を紹介します。
成長意欲のない人
ベンチャー企業の管理部門では仕事の担当範囲が多岐にわたり、さらに経営戦略にも関わる機会があります。
一つの業務だけに留まりたい成長意欲のない人には向いていません。
口が軽い人
口が軽い人は管理部門には向いていません。
人事関連の業務では給与や報酬、健康状態、人事考課、配置、社員の家族情報などの多くの個人情報を扱います。
このような個人情報が社内で漏れると管理部門の信用が失墜します。
そして、個人情報が万が一社外に漏れてしまっては企業の信用問題などにも関わるため、業務上知り得た個人情報は絶対に話してはいけません。
またベンチャーの管理部門では財務上の重要情報を知りうる立場になる可能性がありますが、ベンチャー企業でも上場企業であれば担当者が扱っている全ての数字がインサイダー情報になり得るため、細心の注意を払う必要があります。
経営視点が低すぎる人
事業成長に伴い適切な組織開発を進める必要があり、また、リソースが限られていることが多いため戦略的な視点で業務にあたる必要があります。
そのため経営側の視点で業務に携わる必要があり、経営視点が低すぎる人は向いていません。
例えば下記のような人は経営視点がないため避けた方が良いでしょう。
- 投資視点がなく、短期目線な人
- 企業や事業の成長戦略を理解できない人
- 売上・利益の視点がない人
ワークライフバランスを重視したい人
大手企業の管理部門に比べて業務量が多くなりがちです。
そのため、残業や休日出勤が多くなり、ワークライフバランスを重視したい人には向いていないでしょう。
予定通りに仕事進めたい人
大手企業では決済に長時間かかる案件でもベンチャー企業では数時間で指示が下りることもあり、急な予定や計画の変更にも柔軟に対応する必要があります。
予定通りに仕事進めたい人には向いていないでしょう。
安定志向が強い人
収入面では福利厚生等が不十分であったり、業績や自身の成績によっては収入減少のリスクもあったりします。
収入面での安定志向を求める人は向いていないでしょう。
ベンチャー企業の管理部門に向いている人の特徴
ベンチャーの管理部門に向いている人は、変化し続けることにストレスを感じず、主体性高く仕事をできる人です。
ここでは具体的にベンチャーの管理部門に向いている人の特徴を箇条書きで紹介します。
- 主体性のある人
- 裁量権をもって仕事を進めたい人
- コミュニケーションに自信のある人
主体性のある人
一般企業の管理部門に求められる責任感やコミュニケーション能力加えて、ベンチャー企業の管理部門では主体性のある人や変化を楽しめる気持ちのある人が向いています。
また業務を丁寧に教えてもらう機会が少ない為、常に指示待ちをするのではなく主体的に業務に取り組む必要があります。
裁量権をもって仕事を進めたい人
成長段階のベンチャー企業の管理部門は戦略的な視点を持ち、経営陣と連携して業務を進めることになります。裁量権をもって仕事を進めたい人に向いているでしょう。
コミュニケーションに自信のある人
ベンチャー企業では意思決定が早く、トップダウンで業務が与えられることがあります。
経営陣や他部門との円滑な連携が重要となりますので、コミュニケーションに自信のある人に向いています。
ベンチャー企業の管理部門に求められるスキル
ここではベンチャー企業の管理部門で求められるスキルについて紹介していきます。
管理部門の業務は専門的な知識やスキルが必要ですが、ベンチャー企業ではさらに以下のものが求められます。
- 経営側の観点で業務をすすめるスキル
- 傾聴力やコミュニケーションスキル
- タスク管理スキル
- 問題解決力
- 柔軟性と耐圧力
経営側の観点で業務をすすめるスキル
ベンチャー企業の管理部門は経営者と非常に近い立場にあります。
ベンチャー企業は成長段階にありますので、常にコストとそれに対するリターンの意識を持って進める必要があります。
傾聴力やコミュニケーションスキル
業務の中には他部門からの依頼されるものもあります。
管理部門と他部門とでは認識にズレが生じることもありますので、相手の意を正確にくみ取るための傾聴力や、他部門との円満な関係性を築き、業務を円滑に進めるためのコミュニケーション力が必要になります。
タスク管理スキル
ベンチャー企業では突発的に他の業務が発生することが多いです。それも見越して余裕をもって業務に取り組む必要があります。
特に管理部門は期限を厳守しなくてはならない部門であるため、タスク管理能力は必須となります。
優先順位を間違えずに、計画をしっかりと立てた上で業務をこなしていくことが求められます。
問題解決力
ベンチャー企業の管理部門では、新たな課題や障害に直面することが多くあります。
問題を迅速に分析して解決策を見つけるスキルが重要となります。
解決できなければ早く上司に報告する力も含めて大切です。
柔軟性と耐圧力
ベンチャー企業はトップダウンによる急かつ重要な業務の発生が多いです。
経営陣のプレッシャー下でも柔軟に、忍耐強く、また冷静に対処できる能力が必要となります。
ベンチャー企業の管理部門の求人の選び方
ベンチャー企業の管理部門の求人を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
- 企業や経営陣のバックグラウンド
- 企業の事業内容
- 業績と資金状況
- キャリアパス
- 人間関係や職場環境
- 報酬と福利厚生
- ワークライフバランス
ベンチャー企業の管理部門の求人を選ぶ際には、自身のキャリア目標や志向性、価値観に合った求人を選ぶことが大切です。
企業や経営陣のバックグラウンド
ベンチャー企業を選ぶ際は、企業や経営陣のバックグラウンドが重要です。
素性の分からない人が経営している会社は避けるべきでしょう。
企業の関連会社や経営陣の経歴などを確認し、信用できると思った企業を選びましょう。
企業の事業内容
企業の事業内容、ビジョンや価値観が自身と合うかを確認し、自身の経歴がどのように生かせるかを考えましょう。
業績と資金状況
ベンチャー企業の管理部門を選ぶ際は業績や資金調達ができているかを必ず確認しましょう。
業績や資金状況は、待遇面や職場環境、リソース状況による管理部門の業務の遂行にも大きく影響します。
キャリアパス
担当する業務の詳細を把握し、自分のスキルとの適合性を考えます。
また将来的な昇進の機会、スキルの成長が期待できるかを確認してください。
未経験業務があり不安のある人は志望先のベンチャー企業がどのような教育制度を採用しているのか確認しておきましょう。
人間関係や職場環境
口コミサイトを利用することで、社内の人間関係や職場環境の情報を得ることができ、仕事をイメージしやすくなります。
しかしながら、ベンチャー企業の情報はネット上にはあまり多く出ていません。
そのため、企業の経営者や役員、社員のTwitterやFacebookなどのSNSを検索してみましょう。企業に関係する情報が出ていることもあります。
また、志望する企業の求人を持つ転職エージェントの利用もおすすめです。
転職エージェントは担当企業の雰囲気、人間関係などの内部事情や退職者の情報を把握していることもあり、事前にエージェント経由で企業に質問することも可能です。
報酬と福利厚生
給与、福利厚生は重要な要素です。
求人の給与表記をよく確認し、自分の許容できる待遇か、また将来的な昇給・減給の制度も確認しておきましょう。みなし残業や裁量労働制の有無も確認しておきましょう。
転職する最大の目的が給与であれば、規模が小さいベンチャー企業よりメガベンチャーや大手企業に転職をするほうが、年収を上げられる可能性が高いでしょう。
しかしながら、ベンチャー企業では入社当初は年収が低くても、年齢や職歴に関係なく業務の成果で評価される場合が多くあります。
今の職場で正当に評価が反映されていないと感じるのであれば、ベンチャー企業に転職することで解決できるかもしれません。
ワークライフバランス
一般的にベンチャー企業では一人あたりの業務量が多いため、仕事とプライベートのバランスを求めている方には不向きかもしれません。
しかし、ベンチャー企業の中でもリモートワークやフレックス勤務など多様な働き方を認めている企業もあり、独自の福利厚生を導入している企業もあります。
志望企業の働き方が自身のワークライフバランスにおいてどこまで許容できるかを考えてみましょう。
ベンチャー企業の管理部門の求人の探し方
ベンチャー企業の求人を探すのであれば、転職エージェントを活用することをおすすめします。
ベンチャー企業は知名度の低い企業が多く、外部に向けた情報が非常に少ない傾向にあります。
そのため、入社を決める際の判断材料が少ないのが現状です。
ベンチャー企業の中には企業戦略を漏らさないために非公開にしている企業もありますが、転職エージェントであれば非公開求人を含めて自分に合ったベンチャー企業を提案していただける可能性があります。
また、求職者側が転職エージェントを利用するのは無料ですが、企業側が転職エージェントを利用して人材を採用するのには、一般の求人広告を出すより多くの費用がかかります。
そのため、転職エージェントを利用できる企業はある程度体力のある企業といえるため、安心材料にもなるでしょう。
筆者は実際にリクルートエージェントを利用して、非公開求人のベンチャー企業に転職しました。
転職エージェントを利用することにより、担当のキャリアアドバイザーに職場の情報をいただいたり、面接対策などをサポートしていただいたりしました。
面接のフィードバックもいただけて、以後の面接対策や自分の分析にも役立ちました。
ベンチャー企業への転職を考えている方は、ぜひ一度転職エージェントにコンタクトを取ってみてください。
>リクルートエージェントに転職相談