薬剤師に強い転職サイト9つ!不慣れな方の賢い使い方も紹介
薬剤師の転職で、どうすればより良い求人を見つけることができるのかが気になる方は、多いと思います。
薬剤師は全国に24万人しかおらずかつ専門性の高い仕事であるため薬剤師に特化した転職サイトを選ぶことが重要となります。
筆者は過去に何度か転職経験があり、薬剤師転職エージェントを利用して転職を決めたことがありました。
忙しい薬剤師業務の傍らで転職活動を行うことはなかなかハードですが、当時利用した転職エージェントのサポートもあったため、スムーズに転職活動を行うことができました。
筆者の薬剤師仲間の多くも、転職エージェントを利用して転職をしていますが、中には「なんとなく利用した」「正直どれを利用すればいいのかわからなかった」という声も耳にします。
今回は「転職したいけど、何を利用すればいい求人に出会えるのかがわからない!」という方の為に、薬剤師が転職する際に利用すべき転職サイトや転職エージェント、その利用方法について説明していきます。
薬剤師におすすめの転職サイト
筆者が過去に利用した転職サイトや他の薬剤師仲間の評判を基に薬剤師におすすめの転職サイトを紹介していきます。
全国対応かつ豊富な求人数に加え、他の薬剤師仲間からリサーチした質の良い担当者の有無についても考慮しています。
また、派遣薬剤師をしながら転職活動をする方も少なくないですので、派遣の有無も考慮しています。
先にも述べましたが、どんなに優良な職業紹介会社でも担当者の当たり外れ、相性、連絡の速さ遅さの違いなどもあるため、これを利用すれば絶対に間違いなしということはありません。
紹介するおすすめのポイントを参考にしつつ、3社以上を利用してより良い転職活動を行うと良いでしょう。
マイナビ薬剤師
薬剤師の方が転職についてもやもやと考え始めた際は、幅広い情報を提供してもらえるマイナビ薬剤師への相談がおすすめです。
マイナビ薬剤師は保有求人数が最大級で、調剤薬局だけでなく病院や企業の求人も多く取り扱っている総合型の薬剤師転職エージェントです。
拠点は全国に15ヵ所あるため、都市圏はもちろん地方であったとしても最寄りの地方都市で相談が可能ですし都道府県を跨いだ転職も安心して行えます。
相談の方法はメールや電話、近隣のマイナビ薬剤師オフィスでの面談であるため、遠地の方や隙間時間を使った転職もしやすいでしょう。
国内で数少ない厚生労働省認可の職業紹介優良事業者のマークもあるので、転職のサポートの信頼は厚いかと思います。
履歴書の添削や面接対策のサポートもしっかりしてくれます。
筆者が利用時には、こちらの残業ばかりでなかなか時間がとれない中、夜遅くまで対応して頂き、電話で面接対応をしてくれました。
面接の同行については新型コロナウイルス感染防止のため、現在はあまり行っていないようです。
コロナ禍以前に筆者が利用した際には面接同行をしてくれたり、面接時のフォローもしてくれたりしたので、一時的なものだと思われます。
残念ながら派遣事業は扱っていないため、正社員やパートでの入社を考えている方向けの転職エージェントとなります。
>マイナビ薬剤師に登録する
ファルマスタッフ
調剤薬局への転職を希望する薬剤師の方はファルマスタッフがおすすめです。
なぜなら、全都道府県に出店している調剤薬局チェーン大手の日本調剤株式会社を母体としているため、調剤薬局の求人に強みがあるためです。
拠点も全国で12ヵ所あり、都道府県を跨いだ転職にも対応できます。
ファルマスタッフも、求人数が最大級のマイナビ薬剤師と同規模で、厚生労働省認可の職業紹介優良事業者のマークも持っています。
筆者も引っ越しと転職を同時に行ったことがありますが、その際にお世話になりました。
面談もできる限り求職者の近くまで足を運んでもらったり、面接もできる限り(企業側から断られたとき以外)同行してその場のフォローをしてくれたりと、転職活動が心細かった身としては非常に有難かったです。
また、入社後のフォローもしっかりと行っていただき、条件について企業側と相違があった際には、間に入ってくれて話し合いの場を設けてもらいました。
相談の方法はメール電話・面談・Web面談で面接の同行や履歴書作成のサポートもしっかり行ってくれます。
>ファルマスタッフはこちら
薬キャリエージェント
短期間での薬剤師転職をしたい方や多くの選択肢から自分で求人を選びたい方には薬キャリエージェントがおすすめです。
登録した当日に求人を提案してもらえる迅速さが特徴的な薬剤師転職エージェントで筆者も過去に利用した際にはレスポンスが早かった印象があります。
相談の方法は主にメールと電話、担当者にもよりますがLINEも可能で、東京オフィスまで足を運べる方は面談での相談も可能です。
面接の同行はしてもらえませんが、履歴書添削や面接対策をしてもらうことができ、筆者も利用時しましたがオンラインの面接対策では本番のような緊張感を味わえることができました。
面接対策のフィードバックもメールで送ってもらえたので、面接本番までに改善点をしっかりと振り返ることができました。
運営会社のエムスリーはマイナビ薬剤師やリクナビ薬剤師等の他の転職エージェントとも提携しています。
そのため「薬キャリ」のサイトからは薬キャリエージェントだけでなく、他の転職エージェントも一括で登録したり求人が閲覧できたりするので、登録の際の手間を省くことができます。
薬キャリエージェントのみで登録したい場合は「薬キャリ」経由ではなく、「薬キャリエージェント」経由で登録しましょう。
違いがわからず登録してしまう方もいるので注意が必要です。
また、派遣を取り扱っているため、派遣で働きながら正社員の仕事を探すといったこともできます。
>薬キャリエージェントに登録する
アポプラス薬剤師
アポプラス薬剤師は、調剤薬局への転職を考えている方に特におすすめしたい薬剤師転職エージェントです。
派遣も取り扱っています。
大手調剤チェーンのクオール薬局が母体にあり、拠点は全国に10ヵ所で求人数も最大手のマイナビやファルマスタッフに次いで多く、幅広いエリアに対応しやすいです。
アポプラス薬剤師の転職サポートは他社と比較しても手厚いことが魅力的です。
電話やメールのやり取りだけでなく直接面談することを大切にしている点や、書類添削と面接対策のサポートは勿論ですが、できる限り面接に同行してくれるようです。
筆者の先輩薬剤師にアポプラス薬剤師で転職をしたこと経験がある方がいるのですが、非常に優秀な担当者がついてくれて、良い転職活動ができたようです。
企業の経営者からの信頼も厚いため多くの情報を教えてもらうことができて、その先輩も転職前の不安が少なかったそうです。
転職活動そのものに不安を感じている方、面接が不安で仕方がない!という方には安心できる転職エージェントかと思います。
また、アポプラス薬剤師には研修の支援制度があり、ブランクが長めの薬剤師の方や調剤が初めての薬剤師の方が安心して仕事ができるように調剤の実技研修も用意されています。
無料登録だけで実技研修の受講料が半額になりますが、アポプラス薬剤師経由で転職が決まった場合は実技研修が無料になります。
ブランクがある方や調剤の経験が浅い方には、アポプラス薬剤師の利用がおすすめです。
リクナビ薬剤師
リクルート社が運営する薬剤師に特化した転職エージェントがリクナビ薬剤師です。
リクナビ薬剤師の求人数はマイナビ薬剤師やファルマスタッフよりも少ないですが、それでも豊富な部類に入ります。
他者と比較するとドラッグストアや大手調剤チェーンへの求人にやや強みがあります。
都心部の求人は多めですので、関東エリアへの転職を考えている方にもおすすめできます。
病院の求人はあまり多くなく、派遣の求人も扱っていません。
調剤薬局とドラッグストアで正社員やパートでの転職をしたい方向けの転職エージェントです。
支部は4ヵ所ありますが、東京支部のみは面談で相談可能です。
そのため、都内在住の方以外はメールと電話での相談がメインになることが多いです。
登録者専用の転職活動支援アプリ「myCarrY」があり、面接の日程調整や退職手続きなどの事務手続きはこのアプリを通して担当者とやり取りすることでスムーズに進めやすくなります。
>リクナビ薬剤師はこちら
ファーマキャリア
ファーマキャリアは求職者の希望を丁寧にヒアリングしてからつくる「オーダーメイド求人」が特徴の薬剤師転職エージェントです。
求人数はやや少なめではありますが、小~中規模の調剤薬局の求人に強みがあります。
派遣は扱っていません。
反対に大手調剤チェーンやドラッグストアの求人には弱いので、大手を希望されている方は先述のリクナビ薬剤師やマイナビ薬剤師の利用をおすすめします。
一人ひとりの求人をつくりだす特徴や、コンサルタント1人が担当する求職者の人数を限定していることもあるため、お急ぎの転職と言うよりは「じっくり吟味して転職活動をしたい」という方に向いています。
担当者によってスピード感や対応に差があるようです。
調剤薬局への転職を考えている方が他社エージェントにプラスしてファーマキャリアを利用する感じだと丁度良いかもしれません。
>ファーマキャリアはこちら
お仕事ラボ
お仕事ラボは大手調剤チェーンであるアイセイ薬局のグループ会社が運営する薬剤師転職エージェントです。
求人数はリクナビ薬剤師やアポプラス薬剤師と規模が近いです。
調剤薬局の転職に強みがあります。
派遣も扱っています。
お仕事ラボの特徴としては、求職者の希望した求人が見つからなかった場合でも安心できる逆指名制度があります。
逆指名制度は、求職者の希望した企業や職場があれば、お仕事ラボとの取引がなくても「こんな方がいますがいかがですか?」と担当者が売り込んでくれる制度です。
「あの薬局気になるなぁ、募集してないのかなぁ・・・」といった具合に気になる企業があればお仕事ラボの担当者に相談してみるのも良いかもしれません。
また、お仕事ラボの転職後の定着率95.6%と高く、短期離職や入社後の突然の人手不足といった深刻なケースが起こりにくいのも特徴です。
筆者は過去に転職した途端に職場から突如2人辞めていったという事態に見舞われたこともあるため、この転職後の安定感や信頼感は高く評価できます。
転職後も電話やメールでコンサルタントに気軽に相談ができますので、精神面での意味でもアフターサポートが充実しているエージェントです。
ファゲット薬剤師
ファゲット薬剤師は、22年以上に渡って薬剤師の転職のサポートをしてきた薬剤師転職エージェントです。
看護や介護の転職支援も同じ会社が行っている関係もあり、調剤薬局だけでなく病院の求人にも強みがあります。
派遣の求人はほぼありません。
サイトには派遣の項目があるのですが求人数は0件です。
派遣をやりたい方は他社の派遣を取り扱っているエージェントを利用しましょう。
但し、求人数は最大規模のマイナビ薬剤師等と比較すると少なめでエリアでの方よりも結構あるため、他社エージェントと併用すると丁度良いかと思います。
ファゲット薬剤師はミスマッチを防ぐために薬剤師の生の声を大事にしているのに加え、「薬剤師業界で得た利益は無駄な広告費等に割いたりせずに、薬剤師業界で仕事をする人に還元すべきである」という理念があるため「薬剤師応援プロジェクト」という独自の制度を実施しています。
このプロジェクトは、ファゲットに経由で転職した薬剤師がアンケートやお友達紹介、ファゲット薬剤師の宣伝等に協力すると、報酬金をもらうことができる制度です。
この独自の制度があるため、求人情報の信ぴょう性の向上やミスマッチの減少といった求職者にとっても安心できる転職サポートに繋がっています。
ファルメイト
派遣薬剤師で働きたい!という方には是非ファルメイトの利用をおすすめしたいです。
コロナ禍の影響や調剤報酬の見直しの影響もあり、派遣薬剤師の求人や時給は減少傾向にあって大変厳しい時代に突入していますが、まだまだ派遣で働きたいという薬剤師の方も多いかと思います。
ファルメイトの派遣薬剤師求人はコロナ禍の影響にあっても充実しており、関東・関西エリアであれば最低時給2800円を補償してくれます。
勿論交通費は全額支給です。
他社であるファルマスタッフ(メディカルリソース)の派遣だと最低時給2500円の補償となりますが、それよりも高い時給を補償してくれるのは派遣薬剤師で働く方にとって有難いポイントです。
筆者も過去に他社の派遣薬剤師として働いた経験がありますが、都心部は時給1800~2000円の派遣求人ばかりで、「こんなに低いなんて!これはもう都心部で派遣薬剤師続ける人は殆どいなくなるのでは?」と感じたのを覚えています。
そんな環境下でも時給の最低保証が高めなことに加え、派遣先でも安心して仕事ができるようにコンサルタントがサポートしてくれる点も評価が高いです。
親身になって求人を探してくれたり、派遣先の雰囲気や環境についても事前によく知ることができたりします。
派遣先の事前訪問にもコーディネーターが同行してくれるので安心して派遣の仕事が始めることができるのではないでしょうか。
また、派遣薬剤師の方の中には非常に優秀な方がいるのですが、そんな一定以上のスキルをお持ちの方にはファルメイトの「エキスパート薬剤師制度」を利用するといいかもしれません。
エキスパート薬剤師は、ファルメイトの社員として取引先の薬局等で仕事をしてもらう制度ですが大手調剤チェーンの管理薬剤師並みの待遇を受けることができます。
複数の薬局の店舗を掛け持ちすることもあるので大変ではありますが、やりがいもある仕事になると思うのでバリバリ仕事をしたい派遣薬剤師の方におすすめしたい制度です。
薬剤師はエージェント型の転職サイトがおすすめ
主に薬剤師が利用する転職サイトには大きく分けて2つあり、一つは担当がつくエージェント型の薬剤師専門転職サイトで、もう一つは医療系に特化した求人掲載型の転職サイトです。
それぞれ特徴があり、人によって向き不向きもあるため、詳しく説明していきます。
担当者がつくエージェント型の転職サイトの特徴とメリット
エージェント型の転職サイトを利用すると担当者がつき、転職の支援をしてもらうことが可能です。
具体的な支援内容は過去の経歴のヒアリングし転職目的に沿って求人の案内や選考の日程調整、年収交渉など多岐にわたります。
特に薬剤師の場合は採用ニーズが非常に高いため薬剤師特化型の転職エージェントがあり手厚くサポートしてもらえるでしょう。
利用にあたり得られるメリットを紹介していきます。
担当者がつき書類選考や面接対策により内定率が上がる
個人応募や求人掲載型の転職サイト経由の応募の場合、自分で履歴書の作成や面接の対策をしなければなりません。
以前までは薬剤師転職のハードルはそれほど高くなく、特に履歴書や面接の対策に力を割かなくても内定をもらいやすい状況でしたが、近年は薬剤師の転職事情(特に都心部)も厳しくなっています。
コロナ禍の影響や薬剤師の飽和の状況もあり、中途採用が売り手市場から買い手市場になった状況では、企業側も「薬剤師免許があればよい」というより「質の良い薬剤師を雇いたい」という傾向になるため、履歴書や面接での自己アピールが重要になります。
薬剤師の方の多くは、新卒でそれほど苦戦せずに就職したために、面接慣れをしていない方が多いかと思います。
筆者もそのうちの一人でした。
薬剤師転職エージェントの多くは、担当者が履歴書添削や面接対策をしっかりと行ってくれますので、内定をもらいやすくなります。
しかしながら、エージェントの介入の場合は紹介料が発生するため、必ずしも内定を得やすくなる訳ではありません。
できるだけエージェントの紹介料なしに薬剤師を雇いたいというコスト重視の企業もあるためです。
企業の方針にもよりますが、質の良い薬剤師を雇いたい企業は多く、エージェント型経由での募集を積極的に受け付けています。
面接で「紹介料を支払ってもこの人を雇いたい!」と企業側に思わせるために履歴書や面接にもしっかりと力を入れる必要があります。
履歴書の書き方や面接での自己アピールに自信がない方は、薬剤師転職エージェントによるサポートを受けながらの転職活動がおすすめかと思います。
自分に合った求人が見つかり短期離職のリスクが減る
転職で最も避けたいのは、ミスマッチな企業に入社して短期離職に繋がってしまうことです。
年々薬剤師転職事情も厳しくなってきますので、短期離職というのは今後のキャリアにとって非常に大きな痛手となってしまいます。
このような事態を避けるためには、自分に合った求人を見つける必要があります。
薬剤師専門の転職エージェントを利用すれば、エージェントの担当者が希望やタイプに合った求人を紹介してくれるのでミスマッチ求人に当たりにくくなります。
特に転職エージェントの担当者は多くの転職者を見ており豊富な事例があるため、不安に対して的確なアドバイスをもらえることもありより安心して転職活動を進められるでしょう。
転職回数が多かったりブランクが長めだったりする人もスムーズに転職活動が進む
転職の回数が多かったり、短期離職をした場合は内定を得にくくなったりで転職のハードルが上がってしまいます。
書類選考を通過しても、面接で前の会社を辞めた理由をしっかりと説明して採用担当者を納得させなければ内定を得ることができません。
なかなかこの辺りは難しいところですが、薬剤師転職エージェントを利用した場合は、エージェントの担当者がこの辺りの事情もしっかりと理解した上で、企業側への説明もしてくれるので転職活動がややスムーズになります。
筆者も過去にパワハラが横行しているブラック薬局を短期退職したために、厳しい状況での転職活動をした経験があります。
厳しい状況ではありましたが、その時に利用した転職エージェントの担当者が予め企業側に退職理由を詳しく説明してくれたこともあり、面接開始時に採用担当者から「いやー、なんか酷い薬局に当たっちゃったんだって?大変だったねぇ」とお話してもらい、スムーズに短期退職への理解を得ることができました。
このように、自分の退職理由の説明を面接で一から話すのが難しいと考えている人は、薬剤師転職エージェントのサポートを利用してみても良いかと思います。
また、ブランクある薬剤師の方が転職する際にも、フォロー体制の確認や企業への説明もしてくれるため、エージェント型の薬剤師転職サイトを利用した方が良いでしょう。
薬剤師に特化した求人掲載型の転職サイト
薬剤師のみの求人掲載型の転職サイトは数少ないですがいくつかあります。
ただ、求人数やエリアは限られているため、多くの方は医療系に特化した求人掲載型転職サイトを利用することになります。
エージェント型と比較すると、自分で履歴書作成や面接対策をしなければならない点や企業の情報収集も自力で行わなければならない点がありますが、以下の方には求人掲載型の転職サイトがおすすめできます。
担当者とのやりとりをしたくない人
忙しい業務の中で転職活動をするにはエージェントによるサポートがあると助かることもあるのですが、反対にエージェントの担当者とのやりとりが負担になる方も少なくありません。
エージェントの担当者もお仕事であるため、利用者と綿密なやり取りをしなければなりません。
そのため、必然的に電話やメールの回数が多くなります。
正直、仕事でクタクタになって帰宅した後にエージェントの担当者とのやり取りを何度もするのは精神的に辛いものがあります。
エージェントの利用で疲れてしまい転職活動に集中できない方は、積極的にエージェント型の転職サイトを利用しない方が良いかと思います。
応募先したい企業が決まっており選考の対策が不要な人
既に応募したい企業があり、履歴書の添削や面接対策も不要であるという方は、エージェント型の転職サイトの利用の利点は少ないでしょう。
特に、企業独自で行っている「社員紹介での応募(特典付き)」についてはエージェントが介入すると、本来もらえるはずの特典がもらえなくなってしまう可能性があるため、利用しない方がよいです。
ただし内情を知ってから応募したい方はエージェント型がおすすめです。
希望する企業の転職事例を知っているため社風がどのようなものかを担当者が把握しているケースがあるためです。
自力で年収交渉を頑張りたい人
エージェント型の転職サイトを利用すると、担当者が自分の代わりに年収交渉をしてくれるという利点があります。
しかしながら、エージェント型の転職サイトはどうしても高額な紹介料が発生してしまう関係で、年収も一定しか上がらないというパターンも少なくありません。
また、上述したように、企業側も紹介料をなるべく払わずに薬剤師を雇った方がコスト面の負担も少ないこともあるため、エージェントの介入がない方が内定を得やすくなるということもあります。
そのため、自力で年収交渉ができそうな方はエージェント型転職サイト経由での応募をせずに、求人掲載型転職サイトか企業の採用ページから応募をするのが良いかと思います。
薬剤師におすすめの転職サイトの使い方
ここまで2つの転職サイトの特徴をお話してきましたが、実際に転職するならどういったサイトの使い方をするのが良いのかを紹介します。
人によって向き不向き、何が負担かは違いますので、絶対にこれが確実だという方法ではありません。
筆者の経験、薬剤師仲間の転職エピソードを基に考えたおすすめの方法のひとつですので、転職活動の参考になればと思います。
転職を意識した段階で複数の薬剤師転職エージェントへの登録をする
電話やメールのやり取りが極端に苦痛でなければ、まずはエージェント型の薬剤師転職サイトを利用しましょう。
1つのみの利用は高リスクですので、必ず最低でも3つ以上の利用をしてください。
その理由は下記のためです。
- エージェントごとにエリアや業種での求人数が異なり、独占求人等もあるため
- エージェントの担当者との相性が悪かったり、悪質な担当者がついてしまったりしたときに、他のエージェントの利用に切り替えることができるため
- 同じ企業でも、各エージェントが把握している情報が様々なため
- 併用することで求職者が有利な立場で転職活動を行うことができるため
残念ながらどんなに評判が良いエージェント型転職サイトにも、悪質な担当者は存在します。
同じエリアでもどの担当者がつくかはわかりませんので、悪質な担当者が自分の担当になることもあり得るのです。
悪質な担当者は、自分の利益優先にミスマッチ企業を紹介したり、求職者の意思を確認せずに強引に面接を受けさせようとしてきたりして、不幸な転職につながる行為をしてきます。
情報収集やリスク回避のためにも、担当者とのやり取りは非常に面倒ですが転職エージェントの併用は強くおすすめします。
エージェントの型の薬剤師転職サイトは、登録時に必ず電話やメールでのやり取りがあります。
多くはまず電話がすぐにかかってきますが、タイミングが良いときに折り返しても大丈夫です。
初回のやり取りでは、これまでの勤務経験、転職時期、希望する業種や勤務形態、場所、その他細かい要望を担当者から質問されます。
転職軸や時期、場所、詳細な条件が既に決まっている方は、その旨をハッキリとこの段階で伝えましょう。
優先順位もつけて話しておくとミスマッチ求人を避けやすくなります。
特に決まっていない、転職について漠然としている方は転職時期について「半年~1年以上先」と話しておき、自分の中で考えを固めておきましょう。
数か月後に「転職時期はいつ頃になりそうですか?」といった連絡が来ますので、その時に自分の希望をしっかりとお話しておきましょう。
「書類添削や面接対策はなくていいから、自分で応募したい。でも企業の情報はほしい・・・」と考えている方は、この時点で登録はしない方がいいかもしれません。
エージェントの担当者の多くは、初回の電話で求職者の要望を聞いた後にすぐに書類選考のために求職者のデータを希望に沿っていそうな企業に宛に送ることがあるためです。
求職者側は後のやり取りで担当者から「とりあえず書類だけ通った企業がいくつかあるのですが~・・・」と言った感じの事後報告で知ることが多いです。
確かにこの時点では名前や細かな情報は伏せられているのですが、大学や職歴、年齢、性別等のデータが送られてしまいますので、その後に直接応募の選考に影響を及ぼす可能性が否定できません。
また、エージェント側の紹介を蹴って直接応募して通ったとしても、後にエージェントの担当者から最終的にどこに転職したのかは必ず聞かれてしまいます。
その際に上手く誤魔化すこともできますが、担当者は根掘り葉掘り細かく質問してくるのでなかなか難しい技術となります。
上記の理由から、希望した企業の情報を得るためには、面接の予定を入れた後にエージェント型転職サイトの登録をするといいかと思います。
その際の初回のやり取りで「現在転職活動中で、○○という企業の面接結果待ちです。」とお話しておくと担当者がその企業の情報を調べて伝えてくれることがあります。
もし調べてくれなかった場合は「このままこの企業の内定を受けていいのか心配で、何か過去に嫌な理由で退職された人がいないかが知りたい」と伝えてみましょう。
転職エージェントから求人を紹介されたら、すぐには面接の返事を出さない
初回のやり取りである程度の希望を聞いた後、担当者が求人を紹介してくれます。
多くはメールで企業の詳細や想定年収、勤務時間や立地等の細かなデータを送ってくれます。
この時点で「この中で気になる企業がありましたら、教えてください」と言ってきますが、気になる企業があっても「面接受けます」と即答しないようにしましょう。
この返事は大体1日~2日程猶予をもらえることが多いです。
この数日の間に紹介を受けた企業について自分でリサーチをしておきましょう。
主なリサーチ方法には下記があります。
- 企業口コミサイトの口コミ
- 医療機関検索サイトやGoogleレビューでの口コミ
- 薬剤師の知り合い経由の口コミ調査
特に同じ薬剤師仲間の人からの情報は貴重です。
特に派遣薬剤師や転職を経験されている人から悟られないようにそっと情報を聞き出しても良いかと思います。
探った情報や、エージェントからの情報を基に面接を受けるか判断する
自分でリサーチした情報や、エージェントの担当者から得た情報を基に面接を受けるかを判断します。
特に口コミの情報は、信ぴょう性がそれほど高くはないので注意が必要です。
100%信頼できる情報源ではありませんが、あまりにもレビューなどに悪評が書かれて過ぎている場合は要警戒とみてよいかと思います。
特に医療機関では嫌な思いをされた患者さんはレビューに書き込んだりすることがありますので、その書き込みでスタッフの対応良し悪しや雰囲気を探ったりもできます。
ただし、信ぴょう性の問題に加えて、メンタル系が関わる医療機関は繊細な対応が他よりも高度に求められることが多いため、どんなにそこのスタッフが頑張っても悪評を書かれやすいという懸念点もあります。
口コミを判断材料にする際にはしっかりと背景を考慮した上で活用しましょう。
面接対策や書類添削は特に自身がない限りはやってもらったほうがよい
面接の予定が決まったら、当日に持参する履歴書の添削や、面接対策をしてもらえることが多いです。
日程が合わない人以外は、事前の面接対策をしっかりと受けた方がいいです。
人にはよりますが、面接本番で緊張して自己アピールが上手くできないという事態は少なくありません。
筆者も非常に緊張しやすいタイプの人間で面接を不得手としていましたが、担当者の方の面接対策でしっかりとフィードバックや改善点をもらったことで、本番でも大きな動揺もなく話すことができました。
面接時には必ず職場を注意深く観察する
面接時には必ず職場での見学を行いましょう。
調剤薬局の場合、面接の会場の多くは、入社したら配属となる可能性が高い店舗です。
面接の際には、調剤室内やスタッフの雰囲気をしっかりと把握しておきましょう。
調剤室内がごちゃごちゃしていたり、スタッフの愛想が悪かったりした場合、その職場環境が劣悪な可能性が否定できません。
また、直属の上司となりそうな人(多くは管理薬剤師)とは一度会話をしておくことが重要です。
会話をすることでその人の雰囲気や相性も探ることができます。
タイミングが悪く、管理薬剤師等が不在の場合は後にお話しする機会を設けてもらったり、見学日を別日に設けてもらったり等をしましょう。
また、企業によっては面接が本社になってしまうパターンも少なくありません。
その場合も同様に、後日見学の日程を設けてもらいましょう。
内定が出たら、自分にとって譲れない条件について再度確認をとってもらう
無事に内定が出たら、再度条件を確認しましょう。
特に自分が譲れない部分での条件については、エージェントの担当者を経由してしっかりと確認することが大切です。
筆者は過去に「一人薬剤師は絶対にやりたくない」という譲れない条件がありましたが、入社後に「月に何度か日曜当番で一人薬剤師やってもらう」と言われて企業と揉めた経験があります。
面接時にもないと聞いていた上に、全く条件書に記載が無かったことなので、本当に腹が立ったのを今でも覚えています。
こういった入社後のトラブルを避けるためにも、内定承諾の前の確認は非常に重要です。
面接や見学で感じた不安や懸念点もあればこの時点でしっかりと確認してもらい、解消しましょう。
複数利用している他の転職エージェントにその企業についての情報を確認してもらう。
内定出たらもう1つやっておかなければならない重要なことは、他社のエージェントに内定をもらった企業についての情報を確認してもらうことです。
先に述べた通り、各薬剤師転職エージェントが持っている情報はそれぞれ異なります。
面接の応募に利用したエージェントにはその企業のマイナスの情報が入っていなくても、他社のエージェントが過去の退職者から話を聞いている可能性があります。
また、プラスとなる情報も教えてくれることがありますので、他社の転職エージェントも最後までしっかりと活用しましょう。
まとめ
他の業種と同じように、薬剤師の転職にも当たり外れがあります。
不幸な転職を回避して、自分にとって良い転職をするためにもしっかりと情報収集を行いましょう。
転職事情や求人の情報収集は薬剤師専門の転職エージェントを複数利用することが大切です。
薬剤師専門の転職エージェントから得た情報や、自分でリサーチした情報を上手に転職活動に生かすことが、今後のキャリアや人生にとってプラスになることに繋がります。